タイムカードやExcelによる手作業の勤怠管理は、入力ミスが発生しやすく、担当者の負担も大きくなりがちです。スマートフォンで打刻できる勤怠管理システムを導入すれば、多様な働き方に対応しながら、勤怠集計から給与計算までのバックオフィス業務を効率化できます。
一方で、勤怠管理システムは種類が多く、「どの製品が自社に合っているのかわからない」と悩む担当者も少なくありません。
本記事では、自社に合った勤怠管理システムを選ぶための3つのステップと、業態別のおすすめ製品9選を紹介します。最適なシステムを見つけるための適性診断も用意しているので、ぜひ参考にしてください。
- スマホ勤怠管理システムを導入するメリット
- 自社の現場環境に合わせたシステムの選び方と、労務管理上の注意点
- 無料で使えるシステムと、業態別のおすすめシステム9選
1.なぜスマホなのか?PCやタイムカードにはない3つのメリット

スマホを活用した勤怠管理は、現場の利便性向上とバックオフィス業務の効率化を同時に実現できる仕組みです。従来のタイムカードやPC打刻にはない、スマホ打刻ならではのメリットを見ていきましょう。
【メリット1】個人のスマホ活用による専用端末・初期費用の削減
スマートフォン対応の勤怠管理システムであれば、従業員が普段利用しているスマートフォンや既存の端末を活用できるため、新たな機器の購入費用を抑えながら導入できます。
そのため、勤怠管理のデジタル化で必要となる以下のような初期投資を削減できます。
- 専用のICカードリーダー
- 打刻用PC
- 打刻専用タブレットや専用端末
従業員にとっても使い慣れたスマートフォンで打刻できるため、操作方法を覚える手間が少なく、導入初期の混乱を抑えるというメリットがあります。アプリのインストールやアカウント設定だけで利用を開始できるシステムが多く、短期間で運用をスタートできる点も魅力です。
また、MMD研究所の「2025年法人向け携帯電話の利用実態調査」によると、法人向け社用携帯の支給率は31.4%(大企業44.4%、中小企業24.8%)にとどまっています。
一方で、今後社用携帯に入れたいサービスとして勤怠管理ツールを挙げた企業は16.3%(上位2位)に上っており、多くの企業が個人スマホ活用での導入を想定していることがわかります。
参考:2025年法人向け携帯電話の利用実態調査(MMD研究所)
【メリット2】PCがない現場・直行直帰でのリアルタイムな打刻
建設現場への直行直帰や外回り営業、訪問サービスなど、オフィスに出社しない働き方をするスタッフが多い企業では、スマートフォンによる打刻が便利です。PCを開く必要がなく、その場で出退勤を記録できるため、場所を問わず正確な勤怠管理が可能です。
■直行直帰:従来の打刻方法では…

週に1回出社するから、その時にまとめて出退勤を書くよ。

毎日9時~20時くらいだったと思うけど、正確な時間は覚えていないな……。
こういったまとめ入力では、労働時間をリアルタイムで把握しづらく、従業員の残業時間が想定以上に増えていても気付きにくいという課題がありました。その結果、長時間労働の常態化や、時間外労働の上限規制に抵触するリスクにつながる可能性があります。
参照:厚生労働省「時間外労働の上限規制」「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」
【メリット3】GPSとカメラ連携による外出先での不正打刻防止
スマホ勤怠管理では、代行打刻などの不正打刻や虚偽の勤務申告を防ぐため、さまざまな機能を活用して客観的な勤務記録を残すことができます。
- 打刻ボタンを押すと同時にスマホ内蔵のGPSで位置情報を取得する
- インカメラで顔写真を撮影する
- ジオフェンシング機能(事前に登録した勤務地周辺のみで打刻を許可する仕組み)で、エリア外からの打刻を物理的に制限する
労働基準監督署の調査が行われた場合や、未払い残業代をめぐる労使間トラブルが発生した際にも、勤怠データを客観的な記録として提示できます。
▼あわせて読みたい
直行直帰の多いトラックドライバーは、2024年問題への対応もあり、業界全体で適切な勤怠管理が求められています。以下の記事では、トラック向け勤怠管理システムについて、機能・選び方・おすすめ5選など詳しくまとめています。
2.失敗しない!スマホ勤怠管理システムの選び方3ステップ

自社に合わない勤怠管理システムを選んでしまうと、現場への定着が進まなかったり、想定外のコストが発生したりする可能性があります。導入後の失敗を防ぐためにも、事前に確認しておきたいポイントを3つのステップに分けて解説します。
ステップ1:個人スマホか会社貸与か「端末ルール」を決める
まずは、誰の端末を業務で使うかを明確にします。
| 重視するポイント | 端末の運用形態 | 選ぶべきシステムの特徴 | おすすめシステム |
|---|---|---|---|
| コスト重視 | 従業員の個人スマートフォンを活用 | iOS・Android両対応、個人のプライバシーに配慮したGPS取得制御ができるシステム | ジョブカン勤怠管理 |
| セキュリティ重視 | 会社が専用スマートフォンを貸与 | 端末制限機能や、紛失時に労務ネットワークへの不正アクセスを防げる機能を持つシステム | KING OF TIME |
| コスト×セキュリティのバランス重視 | 現場や事業所に共有端末を設置 | 顔認証やICカード・パスコード打刻に特化した機能を持つシステム | スマレジ・タイムカード |
誰の端末を利用するかによって、求められるアプリの「軽さ」も変わります。特に、従業員の個人スマホを利用する場合は、速度制限がかかっている場合や古いスマホでも、ストレスなく打刻できる軽量設計のシステムを選びましょう。
ステップ2:圏外対応など「現場の通信環境」に合うか確認する
地下作業や電波の届きにくい山間部、通信環境が不安定な倉庫内などでの勤務がある場合は、オフライン打刻機能の有無を確認しましょう。
オフライン打刻機能とは
圏外でも打刻データを端末内に一時保存し、通信回復後に自動でクラウドへ同期できるシステム。打刻漏れを防ぎながら正確な勤怠管理を行える。
現場の通信環境を事前にリサーチし、オフライン打刻機能が必要かどうか検討しましょう。
ステップ3:既存の「給与計算ソフト」と自動連携できるかチェックする
勤怠管理システムで集めた打刻データを手作業で転記していては、根本的な業務効率化にはつながりません。システム選定の際は、現在自社で利用している給与計算ソフトと、APIやCSVを用いて直接連動できるものを選びましょう。
もし現在使っている給与計算ソフトが古く連携が難しい場合は、これを機に勤怠管理と給与計算が一体型となったオールインワンのクラウドシステムへまとめて乗り換えることも、有効な選択肢です。
■ドライバー採用にお困りの方へ|即日紹介・条件交渉も代行します
勤怠管理の業務負担と並んで、多くの総務担当者を悩ませるのが人材採用です。特に、資格免許が必要なドライバー職は慢性的な人手不足が続いており、採用に苦戦している企業も少なくありません。
『カラフルエージェント ドライバー』は、軽貨物・トラック・タクシーなどのドライバー職に特化した人材紹介サービスです。登録者の91%以上が必要な資格・免許を保有しているため、即戦力人材の採用が可能です。
求人募集から候補者の紹介、面接日程の調整、条件交渉までを一括で代行するため、採用担当者の負担を大幅に軽減できます。
▼カラフルエージェント ドライバーへのお問い合わせはこちら
3.【業態別】スマホ対応のおすすめ勤怠管理システム9選
ここからは、外勤、在宅勤務、シフト制という3つの業態別に、おすすめのスマホ対応システムを厳選して紹介します。自社の働き方や必要な機能と照らし合わせ、最適なシステム選びの比較検討にお役立てください。
| システム名 | おすすめの業態 | 端末運用形態 | 圏外対応 | 料金目安 |
|---|---|---|---|---|
| スマート大臣〈打刻〉 | 外勤・現場向け | 個人スマホ・会社貸与 | 要確認 | 要問い合わせ |
| KING OF TIME | 外勤・現場向け | 個人・会社貸与・共有 | 対応 | 1ユーザー月額300円 |
| ジョブカン勤怠管理 | 外勤・現場向け | 個人・会社貸与・共有 | 要確認 | 1ユーザー月額200円〜 |
| freee勤怠管理 | 在宅・テレワーク | 個人スマホ・会社貸与 | 非対応 | 月額1,980円〜 |
| SmartHR | 在宅・テレワーク | 個人スマホ・会社貸与 | 非対応 | 要問い合わせ |
| TeamSpirit | 在宅・テレワーク | 個人スマホ・会社貸与 | 非対応 | 1ユーザー月額600円 |
| スマレジ・タイムカード | シフト制・多店舗 | 共有1台・個人スマホ | 対応 | 1ユーザー月額110円〜 |
| ジンジャー勤怠 | シフト制・多店舗 | 個人・会社貸与・共有 | 要確認 | 1ユーザー月額400円 |
| KINPIRA CLOUD | シフト制・多店舗 | 共有1台・個人スマホ | 非対応 | 1ユーザー月額100円〜 |
【外勤・フィールドワーク向け】スマート大臣〈打刻〉

画像:「スマート大臣〈打刻〉」公式サイトより引用
個人のスマートフォンや会社貸与の端末に専用アプリをインストールし、外勤スタッフの出退勤を正確に管理できるクラウド打刻サービスです。管理者の目が届きにくい現場の客観的な記録に特化しています。
■POINT
- GPS位置情報と顔写真の付加による不正打刻の防止
- 建設業などに特有の日報オプション機能を柔軟に追加可能
- 給与大臣などの主要な自社給与計算システムとスムーズに連携
| 端末の運用形態 | 個人スマホ(BYOD)対応 / 会社支給端末対応 |
|---|---|
| 対応機種 | iOS / Android |
| 圏外対応 | 一部機能で対応可能(要確認) |
| 主な打刻方法 | スマホアプリ / GPS打刻 / 顔写真撮影 |
| 連携できる給与ソフト | 給与大臣など |
【外勤・フィールドワーク向け】KING OF TIME

画像:「KING OF TIME」公式サイトより引用
多彩な打刻方法に対応した市場シェアの高い勤怠管理システムです。GPS打刻を利用することで、外出先からでも正確な位置情報とともに勤怠記録ができ、直行直帰の現場でも厳密な労働時間管理を実現します。
■POINT
- 多彩な打刻手段と高度な不正打刻防止機能を標準で網羅
- 給与計算やシフト管理など豊富な周辺機能とのデータ連携
- 企業規模を問わず導入しやすい柔軟な設計
| 端末の運用形態 | 個人スマホ対応 / 会社支給対応 / 共有で1台設置対応 |
|---|---|
| 対応機種 | iOS / Android / PCブラウザ |
| 圏外対応 | オフライン打刻対応 |
| 主な打刻方法 | ICカード / GPS打刻 / 指紋・顔認証 / LINE連携など |
| 連携できる給与ソフト | 多数の外部給与ソフトと連携可能 |
【外勤・フィールドワーク向け】ジョブカン勤怠管理

画像:「ジョブカン勤怠管理」公式サイトより引用
ジョブカン勤怠管理は、シンプルな操作性と豊富な導入実績が特長です。GPS打刻に対応しており、出勤・退勤時にボタンを押すだけで位置情報と打刻時刻を自動記録できるため、IT機器の操作に不慣れな現場スタッフでもスムーズに利用できます。
■POINT
- GPS打刻やLINE連携による場所を問わない手軽な打刻
- 直感的なUIを採用し、現場スタッフも迷わず簡単に操作可能
- 休暇申請や残業管理、シフト作成などの基本機能も充実
| 端末の運用形態 | 個人スマホ対応 / 会社支給対応 / 共有で1台設置対応 |
|---|---|
| 対応機種 | iOS / Android / PCブラウザ |
| 圏外対応 | 要確認 |
| 主な打刻方法 | ICカード / GPS打刻 / LINE・Slack打刻 / 静脈認証 |
| 連携できる給与ソフト | ジョブカン給与計算など多数 |
▼あわせて読みたい
タクシー業界は隔日勤務など独自の勤務形態があり、一般的な勤怠管理システムでは対応しきれないケースも少なくありません。こちらの記事では、タクシー会社特有の要件に対応したシステムの機能比較・選び方を紹介しています。外勤向けシステムと合わせて比較検討の参考にしてください。
【在宅勤務・テレワーク向け】freee勤怠管理

画像:「freee勤怠管理」公式サイトより引用
給与計算から明細のWeb配布まで、人事労務のあらゆる作業をスマホ一つで完結できる「freee」が提供する勤怠管理システムです。連携することで、打刻情報から給与が自動計算され、集計の手間を大幅に削減します。
■POINT
- 日々の勤怠データと給与計算システムがシームレスに自動連動
- 在宅勤務やフレックスタイムなど多様な働き方の集計に完全対応
- スマホアプリから給与明細の確認や各種申請・承認が可能
| 端末の運用形態 | 個人スマホ(BYOD)対応 / 会社支給端末対応 |
|---|---|
| 対応機種 | iOS / Android / PCブラウザ |
| 圏外対応 | 要オンライン接続(非対応) |
| 主な打刻方法 | スマホアプリ打刻 / PCブラウザ打刻 / ICカード |
| 連携できる給与ソフト | freee人事労務内で完結 |
【在宅勤務・テレワーク向け】SmartHR

画像:「SmartHR」公式サイトより引用
入社手続きなどの労務管理に強みを持ち、勤怠情報と従業員情報を一元管理できるシステムです。直感的でわかりやすく、在宅勤務中でも操作につまづくことなくスムーズに各種申請を行えます。
■POINT
- 従業員の基本情報と日々の勤怠データを一つのシステムで管理
- スマートフォンからの有給申請・承認ワークフローがスムーズ
- 高いセキュリティ基準を満たしエンタープライズ企業にも対応
| 端末の運用形態 | 個人スマホ(BYOD)対応 / 会社支給端末対応 |
|---|---|
| 対応機種 | iOS / Android / PCブラウザ |
| 圏外対応 | 要オンライン接続(非対応) |
| 主な打刻方法 | スマホアプリ打刻 / PCブラウザ打刻 |
| 連携できる給与ソフト | 主要給与ソフトとCSV・API連携 |
【在宅勤務・テレワーク向け】TeamSpirit

画像:「TeamSpirit」公式サイトより引用
勤怠管理だけでなく、工数管理や経費精算などを一体化し、従業員の日々の活動を可視化することで生産性向上を支援するプラットフォームです。見えにくいテレワーク環境下での労務管理を実現します。
■POINT
- テレワーク中の作業内容や時間を細かく記録する工数管理機能
- リアルタイムな残業アラートによる長時間労働の抑止
- バックオフィス業務全体を幅広くカバーする統合的な機能群
| 端末の運用形態 | 個人スマホ(BYOD)対応 / 会社支給端末対応 |
|---|---|
| 対応機種 | iOS / Android / PCブラウザ |
| 圏外対応 | 要オンライン接続(非対応) |
| 主な打刻方法 | PCブラウザ打刻 / スマホアプリ打刻 / ICカード |
| 連携できる給与ソフト | 各種ソフトと連携対応 |
【シフト制・多店舗向け】スマレジ・タイムカード

画像:「スマレジ・タイムカード」公式サイトより引用
店舗のタブレットやスマホを利用して手軽に打刻できるシステムです。シフト作成から給与計算までを自動集計し、顔認証機能によるなりすまし防止など、店舗運営特有の課題を解決します。
■POINT
- 共有端末での顔認証・パスコード打刻による確実な不正防止
- スマホからのシフト希望提出と管理者側のスムーズな作成機能
- 複数店舗をまたいでヘルプに入るスタッフの労働時間も一元管理
| 端末の運用形態 | 共有で1台設置対応 / 個人スマホ(BYOD)対応 |
|---|---|
| 対応機種 | iOS / Android |
| 圏外対応 | オフライン打刻対応 |
| 主な打刻方法 | 顔認証 / パスコード / スマホアプリ打刻 / GPS打刻 |
| 連携できる給与ソフト | アプリ内で給与計算完了(CSV出力可) |
▼あわせて読みたい
多店舗・多拠点で働くスタッフのシフト管理は、スマホ勤怠システムと組み合わせることでさらに効率化できます。運送業をはじめサービス業にも活用できるシフト管理の改善方法と、おすすめツール9選については下記の記事で詳しくまとめています。
【シフト制・多店舗向け】ジンジャー勤怠

画像:「ジンジャー勤怠」公式サイトより引用
使いやすさを追求した操作画面でシフト管理機能が充実しているシステムです。スマホアプリからスムーズな打刻と申請が可能で、法改正に対応したアラート機能なども備え、管理者側の労務リスクを軽減します。
■POINT
- 直感的な操作で複雑なシフトの作成や調整、共有が容易に完了
- スマホアプリからいつでも打刻や休暇申請ができ現場の負担軽減
- 労働基準法に対応したアラート機能で管理者のリスクを軽減
| 端末の運用形態 | 個人スマホ対応 / 会社支給対応 / 共有で1台設置対応 |
|---|---|
| 対応機種 | iOS / Android / PCブラウザ |
| 圏外対応 | 利用環境により要確認 |
| 主な打刻方法 | スマホアプリ打刻 / ICカード / PCブラウザ打刻 |
| 連携できる給与ソフト | ジンジャー給与など連携実績多数 |
【シフト制・多店舗向け】KINPIRA CLOUD

画像:「KINPIRA CLOUD」公式サイトより引用
現場の操作負担を極力抑えた勤怠管理システムです。普段使っている交通系ICカードを出退勤カードとして利用でき、スマホやタブレットにかざすだけで打刻が完了します。操作説明の手間が少なく、スムーズに運用を開始できます。
■POINT
- NFCカードやQRコードを利用した手軽でスピーディーな打刻連携
- 外食・レジャー系店舗での豊富な利用実績と現場での高い定着率
- ITリテラシーを問わず誰でも直感的に使えるシンプルな操作画面
| 端末の運用形態 | 共有で1台設置対応 / 個人スマホ対応 |
|---|---|
| 対応機種 | iOS / Android |
| 圏外対応 | 要オンライン接続(非対応) |
| 主な打刻方法 | NFCタグ / QRコード / スマホアプリ打刻 |
| 連携できる給与ソフト | 各種給与ソフトへのデータ出力 |
【YES/NO診断】5つの質問でわかる!自社にぴったりのシステム判定
自社に最適な勤怠管理システムを素早く見つけられるよう、簡単な診断表を用意しました。以下の5つの質問に「YES」または「NO」で答えるだけで、自社に合ったシステムカテゴリとおすすめ製品がわかります。

4.【コスト重視】無料で使える勤怠管理アプリ3選

コストをかけずに勤怠管理をデジタル化したい場合、無料アプリを活用する手段があります。ここでは、それらの選定基準と、業務で利用する場合の注意点(労務管理ルール)を解説します。
無料で使えるアプリの選定基準と運用上の制限
無料のスマホ勤怠アプリを導入する際は、必ず機能や利用条件を事前に確認することが重要です。無料版は従業員数やデータ保存期間に制限が設けられていることが多く、不正防止機能や給与計算ソフトとの連携に対応していない場合もあります。

【キャリアアドバイザーのワンポイント】
アルバイト数名の打刻管理や試験導入には便利ですが、従業員数の増加や業務効率化を見据えるなら、有料版をおすすめします。
無料プランの注意点|労働基準法上の保存義務リスク
労働基準法第109条では、出勤簿やタイムカードなどの勤怠記録に関する書類を「原則5年間(当分の間は3年間)」保存することが企業に義務付けられています。
万が一、労使トラブルが発生したり、労働基準監督署の調査が入ったりした際に、客観的な記録を提示できなくなるリスクがあるため、データ保存期間の仕様とエクスポート機能の有無は、導入前に必ず確認してください。
参照:e-GOV「労働基準法」
▼あわせて読みたい
スマホを活用した勤怠管理を検討している企業のなかには、複数の事業所・店舗でのシフト管理も同時に効率化したいというニーズがあります。スマホ打刻との親和性が高いシフト管理システムの選び方と、業種を問わず使えるおすすめ15選について、下記の記事で詳しくまとめています。
5.個人のスマホで勤怠管理する際の注意点

スマホ勤怠管理は非常に便利ですが、運用ルールを曖昧なまま導入すると、思わぬ労使トラブルにつながる可能性があります。特に、従業員の個人スマホを利用する場合は、費用負担や情報管理に関する不満が生じやすいため、事前に社内ルールを整備しておくことが重要です。
従業員の私物スマホで勤怠管理を行う場合は、以下のような利用ルールを事前に明確にしましょう。
- 打刻にかかる通信費用の負担を会社が補助するのか
- GPS機能を利用して位置情報を取得する場合の書面等による同意書取得
- 端末紛失時の対応はどうするのか
- 退職時のデータ削除手順
これらを就業規則や社内規程に定めておくことで、トラブルを未然に防ぎやすくなります。

【キャリアアドバイザーのワンポイント】
一番多いのが「会社はなぜ、私のスマホを当然のように使う前提なんだ」という不満です。これに対し、「端末利用手当」等を支給する企業も増えています。
6.スマホ勤怠管理システム導入時によくある質問(Q&A)

スマホの勤怠管理システムを現場へ導入するにあたり、実務担当者や従業員が抱きやすい疑問についてお答えします。通信障害時の対応やプライバシー保護の問題など、導入のハードルとなるポイントを解消しましょう。
-
スマホの通信制限や圏外の場合、打刻データはどうなる?
-
オフライン打刻機能が備わっていれば、通信が安定したタイミングで自動同期されます。
地下での作業や山間部の現場など、通信環境が不安定な就業場所が多い企業の場合は、必ずこのオフライン打刻機能が標準で備わっているシステムを選びましょう。
-
位置情報(GPS)の取得は従業員のプライバシー侵害にならないか?
-
業務上必要な範囲内であれば、直ちにプライバシーの侵害となるわけではありません。
GPS機能を利用する場合は、その利用目的と取得するタイミングを就業規則に明確に記載し、従業員に対して事前に丁寧に説明を行ったうえで、必ず同意取得をしてください。
■ドライバー人材の採用もスマートに解決!即戦力ドライバーをご紹介
勤怠管理のデジタル化によって労務管理の効率化が進んだら、次は採用活動の見直しにも取り組んでみましょう。
『カラフルエージェント ドライバー』は、運転手・ドライバー職に特化した人材紹介サービスです。ドライバー業界に精通した担当者が、求職者の紹介から面接日程の調整、条件交渉まで採用業務をサポートします。
登録者の91%以上が必要資格を保有しているため、未経験者向けの求人だけでなく、即戦力人材の採用にも対応可能です。採用担当者は応募者の選定や面接に集中できるため、採用業務の負担軽減にもつながります。
▼カラフルエージェント ドライバーへのお問い合わせはこちら
7.自社の運用ルールと現場に合わせたシステムを選ぼう
スマートフォンを活用した勤怠管理は、初期費用を抑えながら現場の労働時間をリアルタイムで把握できる便利な仕組みです。一方で、導入効果を最大化するには、機能や料金だけでなく、自社の働き方や運用ルールに合ったシステムを選ぶことが欠かせません。
特に、個人スマホと会社貸与端末のどちらを利用するのか、通信環境が不安定な現場でオフライン打刻が必要かなど、実際の運用を想定して比較検討することが重要です。
本記事で紹介した選び方のポイントやおすすめ製品を参考に、自社に最適な勤怠管理システムを導入し、労務管理の適正化とバックオフィス業務の効率化を実現しましょう。