採用ペルソナの設定
必要な人材像を明確化し、検索やスカウトメール作成の指針を作り効率化をはかります。
ダイレクトリクルーティングとは?メリットと導入成功のコツ|運送・ドライバー・タクシー等のノンデスク領域の人事・労務お役立ち情報メディア
近年、少子高齢化による労働人口の減少や、働き方の多様化により、企業の人材獲得競争は激しさを増しています。従来の求人広告を出して応募を「待つ」採用手法だけでは、自社が求める人材に出会うことが難しくなってきました。
こうした状況下で、企業が自ら候補者を探し出し、直接アプローチする「攻め」の採用手法、ダイレクトリクルーティングが注目されています。 この記事では、ダイレクトリクルーティングの基本的な知識から、具体的なメリット、導入を成功させるためのポイントまでを解説します。

ここでは、ダイレクトリクルーティングの基本的な定義と、多くの企業から注目されている理由を、市場動向や背景とあわせて解説します。
ダイレクトリクルーティングとは、企業が「能動的」に採用活動を行うことです。これまで主流だった求人広告や人材紹介などの「待ち」の採用手法との違いをみていきましょう。
| 求人広告や人材紹介 | 転職を考えている人材から応募が来るのを待ったり、紹介されるのを待ったりする手法 |
| ダイレクトリクルーティング | 企業から優秀な人材を発掘し、自社への転職を促す手法 |
具体的には、企業が自らデータベースやSNSなどを活用して候補者を探し出し、「この人が欲しい」という相手に直接スカウトメールを送るなどしてアプローチします。

「待ち」の採用手法に対し、ダイレクトリクルーティングは「攻め」の採用と言われています。
ダイレクトリクルーティングが注目される背景には、採用市場の変化があります。「今すぐの転職は考えていないが良い企業があれば検討したい」と考える転職潜在層が増加し 、従来の「待ち」の手法では優秀な人材に出会いにくくなったのです。
実際に、ダイレクトリクルーティングの市場規模は急速に拡大しています。株式会社矢野経済研究所の調査によれば、ダイレクトリクルーティングの国内市場規模は、2023年度に1,074億円(前年度比23.2%増)に達っしました。
国内ダイレクトリクルーティングサービス市場規模 推移
出典:株式会社矢野経済研究所
このように、ダイレクトリクルーティングは多くの企業が導入を進める主要な採用手法の一つとして定着しつつあるのです。
参照:株式会社矢野経済研究所「ダイレクトリクルーティングサービス市場に関する調査(2024年)」、内閣府「労働市場における雇用仲介の在り方に関する研究会 報告書」、厚生労働省「職場情報の開示を通じた労働市場の見える化に関する研究調査報告書」
採用活動においては、ダイレクトリクルーティング以外にもさまざまな母集団形成のアプローチがあります。こちらの記事では、母集団形成における採用成功のための具体的な8つのステップと、実践的な手法について詳しく解説しています。

ダイレクトリクルーティング導入における具体的なメリットを、4つの側面から解説します。
最大のメリットは、スキルや経験といった、企業が設定した要件に合致する人材を自ら探し出し、ピンポイントでアプローチできる点です。
求人広告では、応募者の質にばらつきが出ることがありますが、ダイレクトリクルーティングでは、企業側が主体的に候補者を選べるため、質を一定に保ちます。

これにより、採用のミスマッチを減らす効果が期待できます。
転職活動を活発に行っていない「転職潜在層」にアプローチできることも大きなメリットです。
優秀な人材ほど、現職で活躍しており、転職市場に出てくることは少ない傾向にあります。ダイレクトリクルーティングでは、こうした市場に出てこない層に対してもアプローチできるのです。

企業の魅力を直接伝え、「話だけでも聞いてみよう」というきっかけを作ります。
採用コストの最適化も期待できます。
人材紹介
採用決定者の年収の30~35%程度が成功報酬として発生します。
コスト感
高コスト
ダイレクトリクルーティング
データベース利用料のみや、より安価な成功報酬で済むサービスが多いです。
コスト感
低コスト

ただし、採用担当者の工数とのバランスも考慮が必要です。
人材紹介に頼ると、採用のプロセスやノウハウが外部に依存してしまいます。 一方、ダイレクトリクルーティングでは、どのような人材が市場にいるのか、どのようなスカウト文面が響くのか等、データや知見がすべて自社内に蓄積されます。

将来的に企業の採用力そのものを強化する「戦略的資産」となるでしょう。
ダイレクトリクルーティングを含め、採用活動には専門的なノウハウが必要です。カラフルエージェントは、運転手・ドライバー特化型の人材紹介サービスとして、貴社の採用活動を全面的にサポートいたします。面接調整や条件交渉も代行し、効率的な採用を実現します。
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メリットだけでなく、導入前に知っておくべきデメリットにも目を向けましょう。どのような対策を講じるべきかもあわせて解説します。
ダイレクトリクルーティングは、採用担当者が行うべき業務が多岐にわたり、担当者の業務負担が大幅に増加します。
■例えば…
上記に加え、潜在層の意欲を高めるため、選考の前に「カジュアル面談」等 を設定することが多く、面談・調整のステップ自体も増える傾向にあります。
求人広告や人材紹介は、すでに応募意志のある「顕在層」がターゲットのため、比較的スピーディーに採用が決まるケースも少なくありません。
しかし、ダイレクトリクルーティングは、転職「潜在層」にもアプローチするため、すぐに返信が来ない、あるいは面談から応募までに時間がかかる場合も多いのです。
こうしたデメリットを回避するためには、どのような人材を採用したいのかを明確にしたペルソナ設計と、効率的な運用体制の構築が大切です。
採用ペルソナの設定
必要な人材像を明確化し、検索やスカウトメール作成の指針を作り効率化をはかります。
効率的な体制を構築
テンプレート作成、担当者調整、システム導入、業務代行などで増加する工数に対応します。
採用ペルソナの設計は、ダイレクトリクルーティングを成功させる上で欠かせない要素です。こちらの記事では、採用ペルソナの作り方から具体的な活用方法まで、実践的なノウハウを体系的に解説しています。

「コスト」「アプローチ層」「採用工数」の3つの軸で、各採用手法を比較します。人材紹介や求人広告との違いを明確にしながら、それぞれの特徴を整理してみましょう。
専用のデータベースを持つダイレクトリクルーティングサービスでは、費用体系は大きく「定額型」と「成功報酬型」の2種類に分かれます。
| 定額型 | データベース利用料(月額・年額等) |
| 成功報酬型 | 採用者の年収に対して15%ほどの報酬を支払うサービスが多い |
(それぞれの詳しい説明や相場については、第5章で解説します。)

これに対し、人材紹介は「成功報酬型」(年収の30~35%)、求人広告は「掲載課金型」や「成果報酬型」が主流です。
求人広告や人材紹介は、自ら応募してくる「顕在層」がメインターゲットです。一方、ダイレクトリクルーティングのデータベースには「どうしても転職したいわけではないけれど、良い話があれば考える」という潜在層も登録されています。
現役で活躍している潜在層には優秀な人材が多く、通常の求人では出会えない人にもアプローチできる点で、ダイレクトリクルーティングは非常に有効な手段と言えます。
採用工数の違いもみていきましょう。
人材紹介
小候補者の選定や日程調整などを代行。工数がかからない。
求人広告
中応募者全員のスクリーニングや調整は自社で必要。
ダイレクトリクルーティング
大候補者の検索やスカウト送信、管理など採用工数が多い。
自社のリソースに合わせて、無理なく運用できる採用手法を選ぶことが大切です。
採用手法の選択において、コスト管理は重要な判断基準となります。こちらの記事では、採用費用の内訳から具体的な削減術、さらには成功企業の事例まで、採用コストを最適化するための実践的な情報を詳しく解説しています。

ダイレクトリクルーティングには、採用時に費用が発生する「成功報酬型」と、データベース利用料を支払う「定額型」の2つの料金体系があります。ここでは、それぞれの特徴と相場感について解説します。
成功報酬型:採用が決定した時点で費用が発生する
⇒採用者の想定年収15%~25%程度が相場
データベース利用料は無料または安価な場合が多いです。 初期費用を抑えて始めたい企業や、採用人数がそれほど多くない場合に適しています。
定額型:一定期間のデータベース利用料として初期に費用を支払う
⇒半年で数十万円から、年間で数百万円になる場合も
相場は利用するデータベースの規模や機能により幅があります。期間中は何人採用しても追加費用が発生しないサービスが多いため、採用人数が多いほど採用単価は下がります。
カラフルエージェントでは柔軟な料金体系を採用しており、納得のいく採用コストを実現できます。成功報酬型のため、月額費用や初期費用は一切不要で、採用が決定するまで費用は発生しません。採用予算の最適化をお考えの企業様は、ぜひご相談ください。
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従来の「待ち」の採用手法よりも、ダイレクトリクルーティングの導入が効果的な企業とはどのような企業でしょうか。ここでは、代表的な4つのケースをご紹介します。
自社の状況と照らし合わせ、導入の可否を判断するための参考にしてください。

ここでは、候補者の心に響く「スカウトメール」の作成術と、活動を継続的に改善していくための「PDCAサイクル」の回し方を紹介します。
ダイレクトリクルーティングにとって、スカウトメールの開封率・返信率は成否を左右する重要なポイントです。 なぜ「その他大勢」ではなく「あなた」に連絡したのか、候補者のプロフィールのどこに魅力を感じたのかを具体的に記載し、「特別感」を演出しましょう。
■例えば…
一斉送信のような文面は避け、個別にカスタマイズする手間を惜しまないことが成功の鍵です。
ダイレクトリクルーティングは「導入して終わり」ではありません。継続的にPDCAサイクルを回すことが求められます。
Plan (計画)
仮説を立て、スカウトのターゲットや文面を計画します。
Do (実行)
計画に基づき、ターゲットにスカウトメールを送信します。
Check (評価)
返信率や開封時間などのデータを収集し、結果を分析します。
Action (改善)
分析結果に基づき、次の計画(文面や時間帯)を改善します。
この改善活動こそが、採用ノウハウの蓄積に直結します。
ダイレクトリクルーティングの効果を最大化するには、データに基づいた採用活動の改善が不可欠です。採用KPIを適切に設定し、PDCAサイクルを回すことで、スカウトメールの返信率や採用成功率を着実に向上させることができます。
ダイレクトリクルーティングの運用には専門的なノウハウと時間が必要です。特にドライバー採用では、業界特有の資格要件や労働条件の理解が求められます。カラフルエージェントは、採用工数を削減しながら、質の高い採用を実現します。
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ダイレクトリクルーティングを導入する際の基本的な流れと、実際に導入によって採用課題を解決した企業の成功事例を紹介します。
一般的に、ダイレクトリクルーティングの導入は以下のステップで進められます。
ダイレクトリクルーティングは、情報交換を目的としたカジュアル面談からスタートすることも多く、選考期間は長くなりがちです。そのため、サービス利用開始から採用決定まで、数週間~数ヶ月ほど見込んでおくと良いでしょう。
カジュアル面談は、候補者との最初の接点として非常に重要です。こちらの記事では、効果的なカジュアル面談の進め方やよくある逆質問への対応策、業界別の成功事例まで、採用担当者向けに実践的なノウハウを解説しています。
実際にダイレクトリクルーティングを利用して、採用課題を解決した企業の成功事例をご紹介します。
採用課題
システムエンジニアリングサービスという業態の持つ「激務」「残業が多い」などのイメージから、従来の採用方法では募集が集まりにくい。
IT業の株式会社ダブルクロップでは、従来の採用サイトや人材紹介では応募が集まらず、採用が難航していたそうです。そこで、IT人材に特化したダイレクトリクルーティングサービスを導入しました。
エージェント経由ではなく、自社から候補者へスカウトメールを送信し、自社の魅力や熱意を直接アピールしています。

その結果、導入からわずか1ヶ月という短期間で、求めるエンジニアの採用に成功したそうです。
参照:レバテック「ダイレクトリクルーティング成功のコツが分かる!選考の流れや成功事例を解説」
採用課題
合同説明会に出展しても、知名度の高い大手企業に学生が集まってしまい、自社ブースへの訪問者が少ない。
浄水場など多くの施設に携わる福井電機株式会社は、学生からの認知度が高くなく、新卒の応募が思うように集まらず悩んでいました。そこで、ダイレクトリクルーティングに本格的に取り組み、企業側から学生へ直接アプローチする手法へと切り替えたそうです。

その結果、インターンシップへの参加者が前年比2倍以上に増加し、採用ターゲットであった電気電子系の理系学生の内定獲得にも成功しました。
参照:VOLLECT「【業界別】ダイレクトリクルーティング事例集!各企業の成功の秘訣とは?」
ダイレクトリクルーティングは中長期的な採用手法ですが、緊急の採用ニーズには即応が難しい場合があります。カラフルエージェントでは、即日で転職希望のドライバーをご紹介できます。急な人員補充や計画的な採用まで、幅広いニーズに対応いたします。
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ダイレクトリクルーティングは、企業の「採用力そのもの」を長期的に強化する戦略的な活動です。
導入には「工数の増加」や「短期的に成果が出にくい」といったハードルもありますが、蓄積された採用ノウハウは、外部環境や紹介会社に依存しない、持続可能な採用体制の基盤となります。
まずは自社の採用課題を明確にしたうえで、ダイレクトリクルーティングの導入を検討してみてください。この記事が、「攻め」の採用へと転換する際の参考になれば幸いです。