新入社員を迎える入社手続きは、法的義務を伴う重要な業務プロセスです。社会保険加入、税務手続き、必要書類の準備など、期限内に正確な処理が求められます。
本記事では、人事担当者が知っておくべき22項目のチェックリストから具体的な書類作成方法、よくあるトラブルの対処法まで、入社手続きの全てを網羅的に解説します。
- 入社手続きに必要な22項目の完全チェックリストと実施タイミング
- 会社側・従業員側それぞれが準備すべき必要書類の詳細
- 社会保険・雇用保険加入の基準と手続き方法、よくあるトラブル対処法
1.入社手続きとは?基本的な流れと重要性

入社手続きは単なる事務作業ではなく、新入社員が安心して業務を開始できる環境を整える重要なプロセスです。
入社手続きの法的義務と企業責任
企業は労働基準法第15条により、労働者に対して労働条件を書面で明示する義務があります。また、社会保険制度においては、条件を満たす従業員を健康保険・厚生年金保険に加入させる法的責任を負います。
雇用保険についても、週20時間以上かつ31日以上の雇用が見込まれる場合は加入が義務となります。

これらの手続きを怠った場合、行政指導や罰則の対象となる可能性があり、企業のコンプライアンス体制が問われることになります。
適切な入社手続きは、法的リスクを回避し、企業の信頼性を維持するために不可欠です。
入社手続きの全体的な流れとタイミング
入社手続きは内定通知から入社後まで、段階的に進める必要があります。
- 1.内定通知後
- 採用通知書と労働条件通知書の送付、入社承諾書の回収
- 2.入社日の1週間前まで
- 必要書類の提出依頼を完了
- 3.入社当日
- 書類回収と法定三帳簿への記載を実施
- 4.入社後5日以内
- 社会保険加入手続き(厳格な期限が設定されている)
- 5.入社翌月10日まで
- 雇用保険加入手続き(税務関連手続きも速やかに行う)
各手続きの優先順位を明確にし、期限管理を徹底することで、スムーズな入社手続きが実現できます。
2.【会社側】入社手続き22項目の完全チェックリスト

入社手続きを確実に進めるため、時期別に整理した22項目のチェックリストを活用して漏れのない対応を実現しましょう。
入社前に準備すべき8項目
- 採用通知書・内定通知書の作成
入社前の準備段階で作成を開始する。採用の意思を正式に伝える重要な文書であり、法的義務はないものの、採用決定の事実を明確に通知し、後のトラブルを防止する効果がある - 労働条件通知書の準備
労働基準法第15条により交付が義務付けられている必須書類。賃金、労働時間、休日、有給休暇などの法定記載事項を漏れなく明記し、双方の認識を統一する - 雇用契約書の作成
使用者と労働者間の労働条件について双方の合意を明文化する書類。法的義務はないが、後のトラブル防止と認識齟齬の回避に効果的 - 入社誓約書・承諾書の準備
従業員の入社意思を書面で確認し、就業規則の遵守、秘密保持、競業避止などの重要事項について明示・同意を得る書類 - 入社案内通知の送付
入社日時、集合場所、持参物、服装などの具体的な指示を記載した案内。新入社員が安心して初日を迎えられるよう詳細な情報を提供する - 必要書類提出依頼の通知
入社後の各種手続きに必要な書類(マイナンバー、年金手帳、雇用保険被保険者証など)の提出を事前に依頼し、準備期間を十分に設ける - 社内システム・設備の準備確認
PC、デスク、電話、メールアカウント、社員証、制服などの物理的な準備を完了し、新入社員が即座に業務開始できる環境を整備する - 配属先・上司への事前連絡
受け入れ部署への新入社員情報の共有、指導担当者の決定、初日のスケジュール調整など、組織としての受け入れ体制を整備する
▼労働条件通知書について詳しく
労働条件通知書の具体的な作成方法や記載すべき項目について詳しく知りたい方は、こちらの記事で詳細な解説をご確認ください。
入社日当日に行う6項目
- 必要書類の回収・確認
マイナンバー、雇用保険被保険者証、年金手帳、源泉徴収票など法定手続きに必要な書類の原本確認と写しの取得を実施。本人確認も同時に行い、後の手続きに備える - 法定三帳簿への記載
労働基準法で義務付けられている労働者名簿、賃金台帳、出勤簿への新入社員情報の記載。氏名、住所、生年月日、業務内容などの正確な情報入力が求められる - 社員証・備品の配布
業務に必要な社員証、名刺、制服、文房具などの物品を漏れなく提供。ICカードの動作確認や制服のサイズチェックも併せて実施し、即日から使用できる状態にする - 社内システムへの登録
給与計算システム、人事システム、メールアカウント、社内ネットワークへのアクセス権限設定を完了。IDやパスワードの発行と初期設定を行う - オフィス環境の整備
デスク、椅子、PC、電話などの作業環境を最終確認し、新入社員が即座に業務を開始できる状態に調整。必要に応じて機器の使用方法も説明する - オリエンテーションの実施
企業理念、組織構造、業務内容、就業規則、安全衛生などの基本事項を説明。企業文化の理解促進と職場への適応をサポートする
入社後5日以内に完了すべき8項目
- 社会保険加入手続き
健康保険・厚生年金被保険者資格取得届を年金事務所または健康保険組合に提出。法的期限が5日以内と厳格に定められているため、最優先で実施する - 雇用保険加入手続き
雇用保険被保険者資格取得届をハローワークに提出。期限は雇用した月の翌月10日までだが、早期の手続き完了が望ましく、前職での被保険者番号確認も併せて行う。扶養家族がいる場合は健康保険被扶養者異動届と国民年金第3号被保険者資格取得届も同時に提出する - 労災保険の確認手続き
既存の適用事業所では新入社員の個別手続きは不要だが、適用事業所であることの確認と労働保険番号の管理を適切に行う - 税務関連手続き
扶養控除等申告書の内容確認と処理、源泉徴収簿の作成を実施。中途採用者の場合は前職の源泉徴収票も併せて確認し、年末調整に備える - 給与計算システムへの登録
従業員の基本情報、扶養家族情報、銀行口座情報を給与計算システムに入力。正確な給与計算と振込処理を可能にするための重要な作業 - 通勤手当等の申請受付
通勤経路の確認と通勤手当の算定、その他各種手当の申請受付を実施。定期券の購入方法や金額についても併せて確認する - 健康診断の実施
労働安全衛生法に基づく雇入時健康診断の実施または健康診断書の確認。従業員の健康状態把握と安全配慮義務の履行のために必要 - フォローアップ面談の実施
入社手続きの完了確認と初期の不安や疑問の解消を目的とした面談。職場適応のサポートと今後のスケジュール説明を行う
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3.入社手続きに必要な書類一覧

入社手続きでは会社側が準備する書類と従業員に提出してもらう書類があり、それぞれ適切な準備とタイミングが重要です。
会社側が準備する必須書類
- 採用通知書(内定通知書)
法的義務はないが、採用の意思を正式に伝える重要な文書 - 労働条件通知書
労働基準法第15条により交付が義務付けられており、賃金、労働時間、休日、有給休暇などの法定記載事項を明記する必要がある - 雇用契約書
任意の書類だが、双方の合意を明文化することでトラブル防止に効果的 - 入社誓約書
就業規則の遵守、秘密保持、競業避止などの事項を記載する - 扶養控除等申告書
税務手続きに必要で、従業員の扶養状況を把握するために使用する - 健康保険被扶養者異動届
扶養家族がいる場合に必要となる書類
▼採用通知書について詳しく
採用通知書の具体的な作成手順や、内定通知書との使い分けについては、こちらで詳しく解説しています。
従業員に提出してもらう必要書類
従業員に提出してもらう書類の中で最も重要なのがマイナンバー関連書類です。
- 個人番号カード、個人番号通知カード、マイナンバー記載の住民票のいずれか
本人確認も同時に行う - 年金手帳または基礎年金番号通知書
社会保険手続きに必須で、2022年4月以降は基礎年金番号通知書が発行されている - 雇用保険被保険者証
前職で雇用保険に加入していた場合に必要となり、紛失している場合は再交付手続きが必要 - 前職の源泉徴収票
中途採用の場合は年末調整に必要となる - 給与振込先口座情報
給与支払いに必須で、通帳のコピーまたは口座届出書での提出を求る - 住民票や戸籍謄本など
必要に応じて提出を求める書類
4.社会保険・雇用保険の加入手続き

社会保険と雇用保険の加入手続きは法的義務を伴う重要な手続きで、正確な基準理解と期限内の処理が求められます。
健康保険・厚生年金保険の加入基準と手続き
社会保険の適用事業所は強制適用事業所と任意適用事業所に分かれます。
●強制適用事業所とは
常時5人以上の従業員を使用する事業所(農林漁業、飲食店、理美容業等を除く)または法人事業所が該当する
社会保険被保険者の加入条件
労働者区分 | 加入条件 |
---|---|
一般労働者 | ・正社員の4分の3以上の労働時間・日数 ・契約期間2ヶ月以上 |
短時間労働者 | 以下の5つの条件をすべて満たす場合 ①週20時間以上の所定労働時間 ②月額8.8万円以上の賃金 ③学生以外 ④2ヶ月以上継続雇用見込み ⑤従業員51人以上の事業所に勤務 |
被保険者資格取得届は雇用開始から5日以内に年金事務所または健康保険組合に提出し、扶養家族がいる場合は追加の届出が必要です。
▼健康診断について詳しく
雇入時健康診断の具体的な実施手順や管理方法、法的要件については、こちらの記事で実務に即した解説をしています。
雇用保険の加入基準と手続き
雇用保険被保険者の加入条件
項目 | 加入条件・対象 |
---|---|
加入条件 | ・週の所定労働時間が20時間以上 ・31日以上継続して雇用される見込み |
加入対象者 | 上記条件を満たし、かつ対象外者に該当しない労働者 |
加入対象外 | ・企業の経営者・役員(代表取締役、取締役、監査役等) ・日雇い労働者(日々雇用、30日以内の期間雇用) ・季節的事業従事者(4ヶ月以内の季節的事業) |
資格取得届は雇用した月の翌月10日までにハローワークに提出する必要があり、労働者名簿や出勤簿、雇用契約書などの添付書類が必要です。
前職で雇用保険に加入していた場合は雇用保険被保険者証の提出を求め、被保険者番号の確認を行います。
複数事業所で働く場合は主たる事業所で加入し、被保険者証番号の管理を適切に行います。
労災保険の適用と注意点
労災保険は基本的に事業主は加入できませんが、中小事業主や自営業者などは特定条件下で特別加入が認められる場合があります。
既存の適用事業所では新規採用時の個別手続きは不要ですが、初回の場合は労働基準監督署への保険関係成立届提出、概算保険料申告書提出、労働保険番号取得、保険料納付の手順を踏む必要があります。

雇用保険適用対象者がいる場合は、ハローワークへの雇用保険適用事業所設置届と被保険者資格取得届の提出も必要となります。
▼社会保険について詳しく
社会保険料の計算方法や企業負担分の管理、よくあるトラブルへの対処法について、こちらの記事で包括的に解説しています。
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5.税務関連の手続きと注意点

入社手続きにおける税務関連手続きは、所得税と住民税の適切な処理により従業員の税務負担を正確に管理することが重要です。
所得税の源泉徴収手続き
所得税の源泉徴収手続きでは、給与所得者の扶養控除等申告書が中核となります。
この申告書は従業員が扶養家族の有無に関わらず必ず提出する必要があり、1事業所でのみ提出可能です。複数の勤務先がある場合は主たる給与の支払者である会社で提出します。
申告書に基づいて源泉徴収簿を作成し、毎月の給与から適切な所得税額を徴収します。中途採用の場合、前職での源泉徴収票の提出が年末調整に必要となります。
源泉徴収税額表を正確に適用し、扶養親族数に応じた適切な税額計算を実施することで、従業員の税務負担を適正に管理します。
住民税の徴収方法選択
住民税は前年の所得に対して課税される後払い方式で、特別徴収と普通徴収の2つの方法があります。
中途入社者が前職で特別徴収していた場合、特別徴収にかかる給与所得者異動届出書を居住地の市区町村に提出します。
普通徴収から特別徴収への切替えには、未使用の納付書または納付済み領収書と切替申請書の提出が必要です。
新卒者など前年所得がない場合は翌年6月から住民税の徴収が開始されます。市区町村によって手続き期限が異なるため、事前確認が重要です。
特別徴収は従業員の利便性向上と納付忘れ防止の効果があります。
6.法定三帳簿の作成と管理

法定三帳簿は労働基準法により作成が義務付けられている重要書類で、適切な作成と管理により労務管理の基盤を構築します。
労働者名簿の作成ポイント
労働者名簿は労働基準法第107条により、使用者が労働者を雇い入れている場合に作成が義務付けられています。
労働者名簿の記載必須事項
- 氏名、生年月日、履歴、性別、住所、従事する業務の種類、雇い入れの年月日、退職の年月日および事由
会社規模に関係なく全ての事業所で作成が必要で、正社員だけでなくパート、アルバイト、契約社員も対象となります。
労働基準法第109条により、労働者の退職、解雇、死亡から5年間の保存が義務付けられています。
記載内容に変更が生じた場合は速やかに更新し、最新情報を維持する必要があります。
個人情報保護の観点から適切な管理体制を構築し、閲覧権限を制限することも重要です。デジタル化により効率的な管理が可能になります。
賃金台帳・出勤簿の整備
賃金台帳は労働基準法第108条により事業所ごとの作成が義務付けられており、複数事業所を持つ企業は各事業所で個別に作成する必要があります。
雇用形態に関係なく全従業員が対象となり、正確な労働時間と賃金の記録が求められます。
労働者名簿の記載項目
- 氏名、性別、賃金計算期間、労働日数、労働時間数、時間外労働時間数、深夜労働時間数、休日労働時間数、基本給、手当、総支給額 など
出勤簿は労働基準法に明記されていませんが、厚生労働省のガイドラインで作成が義務付けられています。労働時間の適正な把握のために各労働者の出勤日、労働日数、出勤・退勤時刻などを記録します。
デジタル化により勤怠管理システムとの連携が可能になり、効率的な管理と正確性の向上が実現できます。
▼働き方改革で運送業が変わる
労働時間管理や有給休暇制度など、働き方改革に対応した労務管理の具体的な進め方については、こちらで詳しく解説しています。
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7.マイナンバーの適切な取扱い

マイナンバーは特定個人情報として厳格な管理が求められており、適切な収集方法と安全管理措置の実施が不可欠です。
マイナンバー収集時の本人確認
●個人番号カード…本人確認書類としても利用できるため、これ1枚で手続きが完了する
●個人番号通知カードや住民票…運転免許証、パスポート、在留カードなどの身分証明書による本人確認が別途必要となる
扶養家族のマイナンバーを提出してもらう場合、従業員が個人番号関係事務実施者として家族の本人確認と利用目的の明示を代行するため、企業による扶養家族の本人確認は原則不要です。
ただし、国民年金第3号被保険者資格取得届については、配偶者の本人確認が企業に求められます。利用目的を事前に明確化し、従業員に十分な説明を行うことが重要です。
マイナンバーの安全管理措置
マイナンバーは特定個人情報にあたるため、情報漏えい防止策の徹底が法的に義務付けられています。取扱者を必要最小限に限定し、権限管理を厳格に行います。
●物理的安全管理措置
マイナンバーを取り扱う区域への立入制限、記録媒体の適切な保管、機器・電子媒体の盗難防止策を講じる
●技術的安全管理措置
アクセス制御、アクセス者の識別と認証、外部からの不正アクセス防止、情報漏えい防止措置を実施する
●組織的安全管理措置
責任者の設置、取扱規程の策定、従業員への教育を行う
マイナンバーの不正取得や盗用、第三者への提供には最大4年以下の懲役または200万円以下の罰金という重い罰則が設けられており、適切な管理体制の構築が企業の責務です。
8.入社手続きでよくあるトラブルと対処法

入社手続きでは予期しないトラブルが発生することがあり、適切な対処法を事前に把握しておくことで円滑な解決が可能です。
書類不備・期限遅れへの対応
必要書類が揃わない場合の対処として、まず代替手段の確認を行います。
主な代用手段
- 年金手帳紛失の場合…基礎年金番号通知書での代用、もしくはマイナンバーによる社会保険手続き
- 雇用保険被保険者証紛失の場合…従業員本人による前職会社への照会またはハローワークでの再交付手続きを案内する
手続き期限を過ぎた場合でも提出は可能ですが、追加書類の提出が求められることがあります。
●雇用保険…3ヶ月以上の遅延で賃金台帳と出勤簿、6ヶ月以上で遅延理由書の追加提出が必要
社会保険でも同様に追加書類が求められ、健康保険証の交付遅延により従業員に不利益が生じる可能性があります。遡及適用は原則2年間が限度となるため、早期の対応が重要です。
システムトラブル・認識齟齬の防止
労働条件の説明不足によるトラブルを防ぐため、面接時の口約束だけでなく、労働条件通知書による書面での確認を徹底します。

給与の基本給と手当の内訳、残業の有無と時間外労働の取扱い、休日・有給休暇の制度などを明確に説明し、疑問点は入社前に解消します。
社内システムの不具合対応では、代替手段の準備と迅速な復旧体制を整備します。給与計算システムの障害時は手動計算による対応、メールシステム障害時は一時的なアカウント提供などの方策を講じます。
コミュニケーション不足の解消には、入社前から入社後まで継続的なフォローアップを実施し、新入社員が疑問や不安を気軽に相談できる環境を整備します。
担当者の連絡先明示と相談窓口の設置により、問題の早期発見と解決を図ります。
9.入社手続きの効率化・デジタル化

入社手続きの効率化とデジタル化により、業務負荷軽減と手続きの正確性向上を実現できます。
電子申請システムの活用
e-Govを活用した電子申請により、社会保険関連手続きの効率化が可能です。健康保険・厚生年金被保険者資格取得届、雇用保険被保険者資格取得届などの主要書類を電子申請で処理できます。
電子証明書の取得により本人確認が簡略化され、記載内容の自動チェック機能でミスを防止できます。
社会保険の電子申請では、従業員情報の一括登録、複数届出の同時処理、過去データの流用が可能となり大幅な業務効率化を実現します。
ペーパーレス化の推進により、書類の印刷・郵送コストの削減、保管スペースの節約、検索性の向上などの効果が得られます。セキュリティ面でも暗号化通信と電子証明書により高い安全性が確保されます。
人事労務システムの導入効果
人事労務システムの導入により、入社手続きの自動化と標準化が可能
従業員情報の一元管理により、各種書類への自動入力、重複入力の排除、情報の整合性確保が可能となります。
手続きの進捗管理機能により、期限超過の防止、担当者間の情報共有、承認フローの自動化を実現します。
ミス削減効果として、入力チェック機能による誤記載防止、必須項目の入力確認、関連手続きの自動提案などがあります。
効率向上の具体例として、書類作成時間の短縮、検索・参照の高速化、レポート作成の自動化が挙げられます。
コスト削減効果では、人件費の削減、印刷・郵送費の削減、保管コストの削減により投資回収が期待できます。
クラウド型システムの活用により、初期投資の抑制、メンテナンス負荷の軽減、リモートワーク対応も可能となります。
10.業種・規模別の入社手続きの特徴

企業の業種や規模により入社手続きの特徴が異なるため、自社の状況に応じた最適なアプローチを選択することが重要です。
中小企業での入社手続きのポイント
中小企業では限られた人的リソースの中で効率的な入社手続きを実現する必要があります。
専任担当者の配置が困難な場合は、チェックリストとマニュアルの整備により属人化を防止し、誰でも対応できる体制を構築する
外部専門家の活用として、社会保険労務士への業務委託、給与計算代行サービスの利用、クラウド型人事システムの導入により専門性と効率性を両立できます。
コストを抑えた運用のコツとして、無料テンプレートの活用、電子申請による書類作成時間の短縮、複数社員の同時手続きによる効率化があります。
経営者自身が手続きを行う場合は、法的要件の理解と最新情報の把握が重要で、労務管理セミナーの受講や専門書籍の活用により知識向上を図ります。
システム投資では段階的な導入により負担を分散し、ROIを重視した選択を行います。
特殊な雇用形態での注意点
外国人労働者の入社手続きでは、在留資格の確認が最重要となります。在留カードまたはパスポートで就労可能な在留資格であることを確認し、在留期間の満了日もチェックします。
外国人雇用状況届出書をハローワークに提出する義務があり、氏名、在留資格、在留期間などの情報を正確に記載する必要があります。
言語の壁に対応するため、母国語での説明資料の準備や通訳の手配を検討します。
高齢者雇用での特別措置として、70歳以上の場合は厚生年金保険の加入対象外となり、健康保険のみの加入となります。
短時間労働者の社会保険適用では、2024年10月から従業員51人以上の事業所に拡大された新基準の適用により、これまで対象外だった労働者も加入対象となる可能性があります。
週20時間以上、月額8.8万円以上などの条件を満たすかの判定を慎重に行い、適用要件の変更に対応した手続きを実施します。
11.入社手続き成功の要点とまとめ
入社手続きは企業の人事労務管理における基盤業務であり、新入社員の安心と企業の法的責任を両立させる重要なプロセスです。
本記事で紹介した22項目のチェックリストと体系的な手順により、期限管理の徹底と手続きの標準化を実現できます。
デジタル化の活用と外部専門家との連携により効率化を図りながら、法改正への対応と継続的な改善を通じて、新入社員が即戦力として活躍できる環境を整備しましょう。
適切な入社手続きは企業の信頼性向上と優秀な人材の定着促進につながり、持続的な組織成長の礎となります。
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