少子高齢化による労働人口の減少が進む中、「求人サイトに掲載しても、以前のように応募が来ない」と悩む人事・総務担当者が増えています。
その解決策として注目されているのが、企業側からターゲット人材に直接アプローチする「ダイレクトリクルーティング」です。ただし、自社のリソースだけで運用するには、多くの工数や専門的なノウハウが求められるのが実情です。
本記事では、ダイレクトリクルーティングの運用を外部の専門家に委託する「代行サービス」について、サービス形態の違いや料金体系、適切な代行業者の選び方などを紹介します。
- 自社の課題に最適な代行サービスのタイプ(総合型・特化型など)がわかる
- 複雑な料金体系の仕組みと、具体的な費用の相場感がクリアになる
- 失敗しない代行業者選びに欠かせない、5つの比較基準が身につく
1.ダイレクトリクルーティング代行で解決できる課題と背景

ダイレクトリクルーティング代行とは、企業の人事担当者に代わり、候補者の選定からスカウトメールの配信、面談の日程調整までを一貫して行うアウトソーシングサービスです。
【代行が求められる背景】深刻化する採用難と「2024年問題」
日本国内の労働市場は、構造的な人手不足の局面にあります。リクルートワークス研究所の調査によれば、2025年度の中途採用において「採用割合を増やす予定」と回答した企業は約15.7%に達し、企業の採用意欲は依然として高い水準にあります 。

特に物流・運送業界などでは、時間外労働の上限規制が適用された「2024年問題」の影響により人出不足が続いており、欠員補充が急務となっています 。
このような状況下では、従来の求人サイトに広告を出して待つだけの「受動的な採用」では母集団形成が困難であり、企業側からターゲット人材に直接アプローチする「攻めの採用」への転換が求められています。
しかし、その運用には専門知識と工数が必要となるため、解決策として代行サービスの需要が拡大しているのです 。
参照:リクルートワークス研究所「中途採用実態調査2025」
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母集団形成は採用成功の基盤となる重要なプロセスです。こちらの記事では、効果的な母集団形成を実現するための具体的な8つのステップと実践的な手法について詳しく解説しています。応募者数を増やしながら質も担保したい採用担当者の方は、ぜひご一読ください。
採用代行(RPO)とスカウト代行の違い
ダイレクトリクルーティング代行とよく似た言葉に「採用代行(RPO)」があります。違いを確認しておきましょう。
| サービス名 | タイミング | 仕事内容 |
|---|---|---|
| ダイレクトリクルーティング代行 | 応募前 | データベースから自社の要件に合致する人材を探し出し、関心を引くためのアプローチを行う |
| 採用代行(RPO) | 応募受付後 | 書類選考、面接調整、合否連絡といった「採用フロー全体の管理」 |
ダイレクトリクルーティング代行は「母集団形成(ソーシング)」と「候補者への動機付け(アトラクト)」に特化しており、マーケティング的な視点と高い専門性が求められるのが特徴です。
■ドライバー採用の課題解決には専門サービスの活用が効果的
運送業界やタクシー業界では2024年問題による人手不足が深刻化しており、ドライバーの確保が喫緊の課題となっています。ドライバー特化型の人材紹介サービスのカラフルエージェント ドライバーは、有資格ドライバーを多数登録しており、面接調整や条件交渉も代行いたします。
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2.【図解】ダイレクトリクルーティング代行の業務内容とサービス分類

代行サービスは単なる作業代行ではなく、採用成功率を高めるための実務全般を担います。
具体的な代行業務プロセス
ダイレクトリクルーティング代行がどのような業務を担ってくれるのか、そのプロセスを具体的に確認してみましょう。
ターゲット選定とペルソナ設計
具体的な人物像(ペルソナ)を設計し、市場データと照らし合わせて戦略を立案する。
スカウト文面の作成
個別にカスタマイズしたスカウトメールを作成。件名や送信タイミングを変えるABテストを実施し、返信率の改善を図る。
配信と日程調整
返信があった候補者との面談日程を調整。候補者の熱量が冷めないうちに対応するスピード感が重要。
豊富なノウハウと知識を活かし、企業と求める人材とのマッチングを支援します。
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採用ペルソナを適切に設計することで、ターゲットを絞り込んだ効果的なスカウト活動が目指せます。こちらの記事では、ペルソナ作成の7つのステップから具体的な活用方法まで、実践的なノウハウを詳しく解説しています。
【重要】代行サービス3つのタイプと特徴
現在、ダイレクトリクルーティング代行サービスは、その特性によって主に以下の3つに分類されます 。
総合型
(RPO型)
大手人材会社等の
包括的サービス
詳細解説
スカウトから面接調整まで採用全体を包括的に委託可能。
適している企業:
・大量採用企業
・リソース不足企業
ダイレクト
リクルーティング
返信率や面談数に
コミットする専門型
詳細解説
特定職種(エンジニア等)や業界に強く、独自ノウハウで成果を目指す。
特徴:
・独自スカウトノウハウ
・高いターゲット訴求力
フリーランス・
個人委託型
クラウドソーシング等で
個人に委託する形態
詳細解説
安価で柔軟だが、品質やセキュリティ管理に注意が必要。
メリット:
・高コスパ
・急な依頼に対応可
■採用代行サービスで業務効率化を実現
ダイレクトリクルーティング代行以外にも、採用業務全般をサポートするRPOサービスの活用が注目されています。カラフルエージェントを活用することで、書類選考や面接調整などの工数を削減し、人事担当者様の負担を軽減します。
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3.導入するメリットとデメリット

代行サービスの活用には、明確なメリットと留意すべきデメリットが存在します。事前に把握し、備えておきましょう。
メリット1:採用工数の削減とコア業務への集中
候補者の検索や数百通に及ぶスカウトメールの送信は、手間がかかるルーチン業務です。こういった事務作業を外部化することで、人事担当者は「面接」「候補者の見極め」「組織開発」といった、成果につながる重要な業務に集中できるようになります。
メリット2:専門ノウハウによる返信率・マッチング率向上
代行会社は多くの支援実績に基づき、以下のような成功パターンを保有しています 。
- どのような文面なら返信が来るか
- 何時にメールを送ると返信率が高いか
- どの媒体がターゲットに合っているか、など
こういったプロの知見を活用することで、自社運用よりも高い返信率や精度が期待できるのです。

自社の魅力を客観的に言語化できる点も利点です。
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スカウトメールの効果を最大化するためには、戦略的な文面作成と配信タイミングが重要です。こちらの記事では、スカウトメールの書き方、返信率を3倍にする具体的なテクニック、効果測定の方法まで実践的に解説しています。
メリット3:転職潜在層を「振り向かせる」アプローチ
今の仕事に不満がない「転職潜在層」は、定型文のようなスカウトメールを即座に見抜きます 。彼らを振り向かせるには、職務経歴書を読み込み、「あなたの〇〇という経験に感動した」と熱意を込めた、個別のメールを作る必要があります。
また、興味を持ったタイミングで返信がこないと、彼らの関心はすぐに冷めてしまいます。この「手間」と「時間」を代行することで初めて、優秀な潜在層に、自社の選考へ参加してもらうきっかけを作れるのです。
デメリット:コストと社内ノウハウ蓄積の課題
外部委託にはコストが発生します。また、業務を完全に任せきりにすると、社内に採用ノウハウが蓄積されないリスクがあります。これを回避するためには、定例ミーティング等を通じて活動データや知見の共有を受けることが重要です 。
4.【相場一覧】料金体系の仕組みとコストシミュレーション

ダイレクトリクルーティング代行の料金体系は、基本的に「媒体費用」と「代行費用」の2階建て構造となっています 。
費用の仕組み|媒体費用+代行費用
ダイレクトリクルーティング代行を利用する場合、求職者のデータベースを利用するための「媒体費用」と、代行作業を依頼するための「代行費用」が必要です。
| 媒体費用 | BizReachやdodaダイレクトなどのスカウト媒体を利用するための費用。データベース利用料や、採用決定時の成功報酬が含まれる。 |
| 代行費用 | 代行会社に支払う運用手数料。 |
代行費用の3つの料金モデル
代行会社に支払う運用手数料には、主に3つの料金体系があります。
月額固定型
月10万~50万円 / 毎月定額
採用人数が増えても追加費用が発生しないため、複数名の採用や継続的な採用に適している。
成功報酬型
年収の15~35% / 採用決定時のみ
初期リスクがなく導入しやすい反面、1名あたりの採用単価は高くなる傾向がある。
チケット・従量課金型
1通数百円~ / スポット利用
配信通数や業務時間に応じて課金されるモデル。必要な分だけスポットで利用したい場合に適している。
コストシミュレーション:どのプランを選ぶべき?
では、実際に「年収600万円」の人材を採用する場合、どのプランがお得になるのでしょうか。一般的な「人材紹介(紹介料35%=210万円)」と比較しながらシミュレーションしてみましょう。
■ケースA:1名だけ採用したい場合
- 人材紹介:210万円(採用確約まで0円)
- 代行(月額固定):約140万円(媒体費80万+月額20万×3ヶ月と仮定)
- 代行(成功報酬型):約230万円(代行費150万円+媒体費80万円)
1名だけの採用では、成功報酬型の代行は割高になる可能性があります。費用を抑えたい場合は月額固定型が有効ですが、採用できない期間が続くとコストがかさむリスクがあります。
■ケースB:3名をまとめて採用したい場合
- 人材紹介:630万円(210万円×3名)
- 代行(月額固定型):約140万円(変動なし)
- 代行(成功報酬型):約530万円(代行費150万円×3名+媒体費80万円)
「月額固定型」は、何名採用しても代行費用が変わりません。そのため、複数名の採用に成功すれば、1名あたりの採用単価は大幅に下がります。

「年間で数名以上採用するなら月額固定型」、「ピンポイントで1名なら成功報酬型やチケット型」という選び方が、コストを最適化する鉄則です。
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こちらの記事では、採用費用の相場や内訳、企業規模別の費用分析から具体的な削減方法まで詳しく解説しています。ダイレクトリクルーティング代行の費用対効果を判断する際の参考資料としてもおすすめです。
■人材紹介との併用でさらに採用力を強化
即戦力人材を緊急で確保したい場合は、人材紹介サービスが効果的です。カラフルエージェント ドライバーなら、登録者の91%以上が有資格ドライバーで、即日からマッチした人材をご紹介可能です。採用フィーも柔軟に調整でき、入社後のアフターフォローも充実しています。
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5.失敗しない代行会社の選び方と5つの比較基準

ダイレクトリクルーティング代行業者は数多く存在します。ここでは、自社に最適なパートナーを選ぶために確認すべき5つのポイントを解説します。
POINT1. 得意領域の適合性
代行会社にはそれぞれ得意分野があります。自社が採用したい職種や業界での実績を確認することで、自社に合った会社かどうかの判断材料になります。
■例えば…
- エンジニア採用に強い
- 営業職が得意
- スタートアップ支援の実績が豊富、など
同業他社や同職種での具体的な支援事例を確認することが重要です。
POINT2. 媒体運用力と主要媒体の知見
媒体のデータベースにもそれぞれ特徴があります。まずは求める人材にあった媒体を選択し、その媒体での運用経験が豊富な代行会社を選ぶという方法もあります。
| BizReach | 「即戦力」となる経営幹部や管理職、専門職が豊富 |
| Green | 登録者の多くがエンジニアやデザイナー |
| グローバルな人材層に圧倒的な強み | |
| dodaダイレクト | 若手からベテランまで非常に幅広い層をカバー |
POINT3. スカウト文面の質
返信率を左右するのは文面の質です。契約前に過去の文面サンプルを確認し、以下の項目をチェックしましょう。
- テンプレートの使い回し感がないか
- 候補者個人の経歴に触れたカスタマイズがされているか
- 自社のトーン&マナーに合うか、など
POINT4. 透明性とデータ共有
以下のような活動データが定期的に開示されるかを確認します 。
- 送信数
- 開封率
- 返信率など
これらのデータに基づいた要因分析と改善提案(PDCA)のプロセスが確立されているかが、成果を出し続けるための鍵となります。
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採用活動の成果を最大化するには、適切なKPI設定とデータに基づいた改善が不可欠です。こちらの記事では、採用KPIの基本概念から具体的な設定手順、効果的な運用方法まで詳しく解説しています。
POINT5. 総合的なコストパフォーマンス
月額費用の安さだけで選定することにはリスクが伴います。安価であっても品質が低ければ、採用ブランドを毀損する可能性があるためです 。
初期費用、運用費用、期待できる成果を含めたトータルコストと、サービス内容(定例会の有無、専任体制など)のバランスを考慮し、投資対効果で判断することが求められます。
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カラフルエージェント ドライバーは運送・物流業界に特化しており、面接調整や条件交渉も全て代行いたします。成功報酬型なので、採用が決まるまで費用は一切発生しません。ドライバー採用でお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。
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6.優秀人材を逃さない「戦略的採用」のすすめ
ダイレクトリクルーティング代行は、単なる「作業の外注」ではなく、市場の8割を占める「転職潜在層」と出会うための「戦略的投資」です。
本記事で解説した「コストの仕組み」や「スカウト文面の質」を基準に自社に最適なパートナーを選び、プロの知見を自社の資産として取り込んでください。人手不足の時代ですが、正しい戦略で動けば、貴社にマッチする優秀な人材を獲得することが可能です。
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