DXの加速により、IT人材の獲得競争は一段と激しさを増しています。エンジニア採用では、「求人を出しても応募が来ない」「内定を出しても辞退される」といった課題を抱える企業も少なくありません。
こうした状況の中で、注目を集めているのが「新卒エージェント」です。学生と企業の間を専門的にマッチングし、採用効率や精度を高められる手法として導入企業が増えています。
本記事では、売り手市場が続く現在の採用環境をデータで紐解きつつ、企業の課題に応じた「新卒エージェントの選び方」を解説します。市場構造を理解し、自社に適したエージェントを選ぶことで、採用成功を目指しましょう。
- ITエンジニア採用市場の現状と、新卒エージェントが必要とされる背景
- 自社の課題に合致する「新卒エージェントの選び方」の3つの基準
- 企業タイプ別に見る、おすすめのIT新卒エージェント
1.【現状】なぜITエンジニアの新卒採用はこれほど難しいのか

多くの企業が新卒のITエンジニア採用に苦戦する要因は、人材供給が追いついていない「構造的な人材不足」にあります。
求人倍率10倍超えの市場実態
IT・通信技術職の有効求人倍率は、他職種と比較して高水準にあります。データによると、2025 年10月時点での「IT・通信」の転職求人倍率は11.47倍を記録しました。これは、エンジニア1人に対して11件以上の求人が競合している状態を意味します。
新卒採用においても、その傾向は変わりません。特に理系学生やプログラミングスキルを持つ学生は、複数の企業から早期に内定を獲得する「超・売り手市場」となっているのです。
参照:doda「転職求人倍率レポート(2025年10月)【最新版】」
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「待ち」の採用手法の限界
従来のナビサイトでの募集は、学生からの応募を待つ「受動的」な採用手法です。しかし、学生優位の市場では、学生は自ら網羅的に企業を探さずとも、企業側からのスカウトやエージェントからの紹介を通じて、自ずと選択肢を得られるのが実情です。
また、少子化による労働人口の減少も深刻です。「待っているだけ」でターゲット層と接触するのは、困難な状況が続いているのです。
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2.【採用手法の比較】なぜ今、IT採用にエージェントが必要なのか

ナビサイトへの登録や新卒エージェントの利用など、採用手法は多様にあります。ここでは主要な手法を比較し、現在のIT採用において「エージェント」が注目される理由を整理します。
手法比較:求人サイト vs ダイレクトリクルーティング vs エージェント
各採用手法の特徴をみていきましょう。
| 求人サイト | 応募数は知名度や条件に左右される。掲載費が先行して発生するため、採用に至らない場合でもコストがかかる。 |
| ダイレクトリクルーティング | 企業が直接学生にスカウトを送る手法。ピンポイントでのアプローチが可能だが、運用には工数とノウハウが求められる。 |
| 人材紹介エージェント | 厚生労働省の許可を受けた事業者が、要件に合う学生をあっせんする手法。初期費用はかからず、成功報酬型が一般的。 |
特にITエンジニア採用では、「待っていても応募が来ないため集客工数が膨大になる」「技術スキルの見極めが難しくミスマッチが起きやすい」といった課題があります。こうした背景から、エージェントが注目を集めているのです。
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エージェントのメリット:工数削減とリスクヘッジ
エージェントを利用するメリットは以下の通りです。
母集団形成から日程調整までの工数を削減
採用担当者はスクリーニング済みの学生のみと面接を実施できるため、業務負担を大幅に軽減できます。
掲載費用の掛け捨てリスクを回避
「完全成功報酬型」が一般的で、原則として採用決定まで費用が発生しないため、「誰も採用できなかったのに費用だけかかった」というリスクを回避できます。
内定辞退の抑制効果が期待できる
第三者であるエージェントが学生の志望度醸成やフォローアップを行うことで、内定辞退を抑制し、確実な採用につなげます。
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3.ITの新卒エージェント選定における3つのポイント

新卒紹介エージェントには、それぞれ得意とする分野や特徴があります。自社の採用課題に的確に対応するための選び方を、3つのポイントでご紹介します。
ポイント1:総合型か特化型か
第一の基準は、「ITエンジニア領域に特化しているか」という点です。それぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。
幅広い層へのアプローチ
登録者数が多く、文系学生も含めた幅広い層にアプローチ可能です。
エンジニア志望者の比率
全体の母数は多いものの、エンジニア志望者の比率は相対的に低くなる傾向があります。
専門性の高い学生層
理系学生や情報系学部の学生、あるいはプログラミングスクール等で学習済みの学生が集まっています。
コスト感
専門性が高い人材を紹介するため、紹介料が割高になる傾向があります。
専門的なスキル要件がある場合や、即戦力に近い人材を求める場合は、特化型の方がマッチング精度が高まります。
ポイント2:紹介される学生の質(スクリーニングと研修)
エージェントによって、登録学生の層は異なります。特にITエンジニア採用においては、「独自のプログラミング研修はあるか」は重要なチェックポイントです。

一部のエージェントでは、学生に技術研修を実施し、一定のスキルレベルや適性が確認された学生のみを紹介する「育成型」のモデルを採用しています。
こうしたエージェントを活用することで、入社後の教育コスト削減に加え、「学習を継続できる自走力のある学生」を採用できる可能性が高まります。
ポイント3:データベースの規模と紹介スピード
紹介のスピードや安定性も重要です。以下のような点を押さえておくと、紹介の状況がより分かりやすくなります。
- 登録している学生の数
- 依頼から紹介までのリードタイム
- 選考プロセスの短縮可能性について、など
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4.【厳選】IT新卒採用におすすめのエージェント3選
ここでは、それぞれ異なる強みを持つエージェントを紹介します。自社の採用戦略にあったサービスを検討する際の参考としてください。
| 比較項目 | TECH-BASE | レバテックルーキー | マイナビ新卒紹介 |
|---|---|---|---|
| 特徴 | 育成型 (研修修了者) | 即戦力型 (理系・経験者) | 総合型 (全学生) |
| 紹介人材の強み | 自走力がある | 技術力が高い | 人数が多い |
| 課題解決 | 教育コスト削減 | 技術要件あり | 母集団形成 |
以下で詳しくみていきましょう。
① TECH-BASE(テックベース):育成型・ポテンシャル採用

画像:「TECH-BASE(テックベース)」公式サイトより引用
エンジニア就職を目指す学生向けの「育成型」紹介サービスです。独自のプログラミングインターンシップがあり、基礎スキルと学習意欲が確認された学生のみを紹介します。
■POINT
- プログラミング研修修了済みの「自走力ある」学生を採用可能
- 入社後の教育コストと早期離職リスクの低減に寄与
- 理系のみならず、意欲の高い文系エンジニア志望者も紹介対象

「未経験者を採用する教育リソースが不足している」「早期離職リスクを減らしたい」といった課題を持つ企業におすすめです。
② レバテックルーキー:即戦力・ハイクラス採用

画像:「レバテックルーキー」公式サイトより引用
ITエンジニア専門のエージェントとして知られる、レバテックの新卒向けサービスです。登録学生の質が高く、上位校の理系学生や、自身で開発経験を持つ即戦力候補が多く利用しています。
■POINT
- 上位校の理系学生や開発経験のある学生が登録
- 専門のアドバイザーが技術的なスキル要件を理解
- 学生からの認知度が高く、優秀層の母集団形成に強み

自社開発企業やWeb系ベンチャーなど、高い技術を持った即戦力の人材を求める企業におすすめです。
③ マイナビ新卒紹介:大規模母集団・全国対応

画像:「マイナビ新卒紹介」公式サイトより引用
就職情報サイト大手「マイナビ」が運営する新卒紹介サービスです。IT特化型ではありませんが、大規模な登録学生数と全国の大学とのネットワークを有しています。
■POINT
- 国内最大級の登録学生数を背景とした母集団形成力
- 全国に拠点があり、Uターン・Iターン採用にも対応可能
- 文理問わず、幅広い層から人材を探すことが可能

特定の技術スキルよりも、ポテンシャルや人物面を重視し、数を確保したい企業におすすめです。
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5.【Q&A】よくある質問

新卒エージェントの導入を検討する際に、人事担当者からよく寄せられる質問を集めました。
Q.内定辞退が起きた場合、手数料は返金されますか?
A.はい。一般的に返金規定が設けられています。
多くのエージェントでは、入社承諾後の辞退や早期退職に備え、期間に応じた返金規定を設定しています。

詳細な条件は契約ごとに異なるため、契約締結前に必ず規定内容を確認しておきましょう。
Q. 理系学生だけでなく、文系でプログラミングを学んでいる学生も紹介可能ですか?
A.可能です。
IT人材不足を背景に、文系学生を対象としたプログラミング教育を行うエージェントが増加しています。コミュニケーション能力や学習意欲を評価軸とし、ポテンシャル採用を行う企業が増えています。

特に「育成型」のエージェントが得意とする領域です。
Q. 紹介手数料の相場はどのくらいですか?
A.一般的に理論年収の30%〜35%程度とされています。
料金体系はサービスによって異なりますが、新卒紹介では、想定年収の一定割合を手数料とする料率制や、定額制(平均80万〜100万円程度)が一般的です。

エージェントを比較検討する際は、成功報酬だけでなく、オプションや返金規定などを含めて総合的に判断しましょう。
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6.ITの新卒採用をエージェントで戦略的に
ITエンジニアの新卒採用市場は、今後も売り手市場が続くと予測されます。しかし、市場構造を正しく理解し、自社のニーズに合ったエージェントを選ぶことで、人材獲得の成功率を高めることが可能です。
従来の「待ち」の採用ではなく、自社から積極的にアプローチする「攻め」の採用に切り替えることが重要です。自社が求める人物像を明確にし、それに強みを持つエージェントへの相談を検討することが、採用戦略の改善につながります。
適切な戦略と信頼できるパートナーを活用することで、優秀な人材の確保を目指しましょう。
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