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通年採用とは?メリットと導入手順をわかりやすく解説

近年、従来の新卒一括採用を見直し「通年採用」へ移行する企業が増加しています 。一方で、「具体的な導入手順が分からない」「中小企業でも運用できるのか」といった悩みを抱える人事担当者も少なくありません 。

通年採用の本質は、単なる募集期間の延長ではありません。的確に運用することで、企業の成長に必要な人材を戦略的に獲得する「攻めの採用」への転換が実現します 。

この記事では、通年採用の基礎知識や一括採用との違い、メリット・デメリットを体系的に解説します 。あわせて、ソフトバンク等の成功事例や失敗しない導入4ステップも紹介するので、ぜひ参考にしてください。

この記事を読んでわかること
  • 通年採用のメリット・デメリットが分かり、自社で導入すべきか判断できる
  • 成功事例から、優秀な人材を戦略的に獲得するための具体的なイメージが湧く
  • 失敗しない導入4ステップを理解し、計画的な採用活動の第一歩を踏み出せる
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1.通年採用の基礎知識と一括採用との違い

通年採用の基礎知識と一括採用との違い

まずは、「通年採用」という言葉の定義と、従来の一般的な雇用形態である「新卒一括採用」との違いを整理しましょう。

通年採用の定義

通年採用とは

企業が年間で特定の時期に限定せず、一年を通じていつでも応募を受け付け、選考・採用を行う仕組みのこと。

これまでの日本企業は、経団連の指針(現在は廃止)や政府の要請に基づき、「3月情報解禁、6月選考開始」という横並びのスケジュールを守ってきました。

しかし、ビジネスのグローバル化や、留学・研究・部活動などに力を入れる学生の多様化に伴い、画一的なスケジュールでは優秀な人材を確保しきれなくなっています。

その結果、企業が必要なタイミングで、必要な人材を能動的に採用する「通年採用」へのシフトが加速しているのです。

就職みらい研究所の『就職白書2024』によると、2025年卒採用において約31.9%の企業が通年採用を実施予定と回答しており、導入企業は年々増加傾向にあります。

参照:就職みらい研究所「就職白書2024

新卒一括採用との違い

通年採用と新卒一括採用の大きな違いは「スケジュールの柔軟性」と「対象者の広さ」にあります。

項目新卒一括採用通年採用
スケジュール固定(春採用・4月一斉入社)柔軟(通年募集・随時入社)
対象者卒業予定の新卒学生新卒、既卒、第二新卒、留学生など
選考手法集団面接など効率重視個別面接など人物重視
メリット教育・管理コストが低い多様な人材確保、ミスマッチ減

新卒一括採用は「大量一括処理型」で効率に優れますが、時期が合わない層を取りこぼす弱点があります。対して通年採用は、個人の事情に寄り添う「個別対応型」であり、より多様な人材へのアプローチが可能です。

参照:厚生労働省「大学等卒業・修了予定者の就職・採用活動時期について」

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2.企業が通年採用を導入するメリット・デメリット

企業が通年採用を導入するメリット・デメリット

通年採用にはメリットがある一方で、注意すべき点もあります。自社に適した手法かを見極めるためにも、メリットとデメリットの両面を正しく理解しておきましょう。

メリット:多様な人材と丁寧に向き合える

最大のメリットは、一括採用のスケジュールでは出会えなかった「隠れた優秀層」にアプローチできる点です。

■具体的には

  • 海外の大学を卒業する学生
  • 卒業直前まで研究や部活動に打ち込んでいた学生
  • 一度就職したものの再チャレンジを目指す既卒者など

⇒こうした人材は、高い専門性や目的意識を持っている傾向があります。

また、選考時期が分散されるため、一度に何百人も面接する必要がなく、応募者一人ひとりの価値観やスキルを深く掘り下げて見極めることができ、入社後のミスマッチを大幅に減らすことができます。

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デメリット:採用担当者の工数増加と採用コストの変動

一方で、導入の壁となるのが、採用担当者の業務負担増加とコスト管理の難しさです。新卒一括採用であれば、繁忙期と閑散期がはっきりしていましたが、通年採用では一年中いつでも応募が来るため、常に母集団形成、面接調整、選考対応に追われることになります。

さらに、採用活動の長期化は、求人媒体の掲載費や運用人件費の増大に直結します 。計画性のないまま通年採用を続けた場合、一人あたりの採用単価が高騰する可能性がある点には注意が必要です 。

Success

入社時期がバラバラになることで、新人研修を一度にまとめて行うことが難しくなり、教育体制の複雑化も懸念されます。

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通年採用における採用担当者の業務負担を軽減するには、採用代行(RPO)サービスの活用が効果的です。こちらの記事では、ドライバー採用に特化したRPOサービスの仕組みや活用法、おすすめ14社のサービス比較、成功事例まで詳しく解説しています。

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3.失敗しない通年採用の始め方4ステップ

失敗しない通年採用の始め方4ステップ

通年採用を導入するにあたっては、十分な準備を行わないまま募集を開始すると、さまざまなリスクを伴います。以下の4つのステップに沿って、計画的に準備を進めていきましょう。

ステップ1|自社の採用ターゲット(ペルソナ)を明確にする

「いつでも誰でも大歓迎」という姿勢では、採用軸がぶれてしまい、現場が混乱します。まずは、「経営戦略上、どのようなスキルや経験を持った人材が必要なのか」「なぜその人材は一括採用では採れないのか」を言語化し、具体的な採用ペルソナ(人物像)を設定しましょう。

通年採用は、画一的なポテンシャル採用ではなく、個々の能力や適性を重視した採用になる傾向があります。そのため、配属予定の部署とも連携し、求める要件を詳細に定義しておくことが、成功の第一歩です。

ステップ2|年間採用計画とスケジュールを立てる

「通年」といっても、無計画に募集を出し続けるわけではありません。ターゲットとなる学生の動きに合わせて、戦略的に「山場」を作ることが大切です。以下のように、季節ごとのターゲットを明確にした年間スケジュールを策定してください。

🌸 SPRING
国内学生

説明会・広報の強化

新学期のスタートに合わせて、国内学生向けの説明会を集中的に開催。企業の魅力を伝える広報活動を最大化します。

✈️ SUMMER
海外留学生

オンライン面接集中期間

海外在住学生の夏休み期間を活用し、オンライン面接を集中的に実施。時差や距離の壁を越えた採用を行います。

🍁 AUTUMN
部活動生

引退生の駆け込み需要

部活動を引退し、本格的に就職活動を始める学生をターゲットに設定。秋採用ならではの意欲的な人材を獲得します。

これにより、リソースの配分にメリハリがつき、担当者の疲弊を防ぐことができます。

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ステップ3|自社に合った採用手法を選ぶ

通年採用では、学生が自発的に応募してくるのを待つだけでは不十分です。知名度の高い大手企業でない限り、求人サイトに掲載し続けるだけでは埋もれてしまいます。そこで重要になるのが、以下のような「攻めの採用手法」との組み合わせです。

  • ダイレクトリクルーティング(オファー型採用)
    データベースから条件に合う学生に直接スカウトを送る

  • リファラル採用
    社員のつながりを活用する

  • SNSでの発信
    SNS等を活用し、自社からターゲットに直接アプローチする

特に通年採用市場にいる学生は、スカウトへの反応が良い傾向にあります。

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攻めの採用手法「ダイレクトリクルーティング」については、こちらの記事をご覧ください。基礎知識から実践的な運用方法、サービス選びのポイント、採用成功率を高めるノウハウまで、体系的に解説しています。

ダイレクトリクルーティング完全ガイド|成功の秘訣とは
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ステップ4|内定者フォロー体制を整える

通年採用特有の課題として、内定から入社までのリードタイム(待機期間)が人によってバラバラ」という点が挙げられます。内定出しから入社まで1年以上空くケースもあり、長期間放置してしまうと、内定者の意欲低下や、他社への心変わりを招くリスクが高まります。

以下のように個々の状況に合わせたフォロープランを事前に設計し、入社までエンゲージメントを維持し続ける仕組み作りが重要です。

  • 定期的な1on1面談の実施
  • 社内イベントや懇親会への招待
  • eラーニングの提供など

4.成功企業の導入事例【ソフトバンク・ユニクロ】

成功企業の導入事例【ソフトバンク・ユニクロ】

実際に通年採用を導入し、成果を上げている企業の事例を紹介します。どのように自社が抱える課題を解決していったのか、見ていきましょう。

【事例1】ソフトバンク株式会社「ユニバーサル採用」

【それまで抱えていた採用課題】

変化の激しい通信業界において、既存の新卒一括採用だけでは、AIやテクノロジーに強い専門人材や、多様な経験を持つ「尖った人材」の確保が困難という課題があった。

ソフトバンク株式会社では、2015年より、既卒や就業経験者も含め「30歳以下」であれば、一年中誰でも応募可能にする「ユニバーサル採用」を導入しました。また、「No.1採用」など独自の評価軸を持つコースも新設し、多様な入り口を用意したそうです。

【その結果】
海外留学生や研究に没頭する学生、起業経験者など、多様なバックグラウンドを持つ人材の獲得に成功しました。また、多様な人材が流入することで既存社員への刺激にもなり、組織全体の活性化とイノベーション創出に繋がっています。

企業の都合ではなく学生の都合に合わせることで、優秀層の取りこぼしを防ぎ、自社の求める人物像に合致した人材をピンポイントで獲得できています。

参照:ソフトバンク株式会社「採用コース(ユニバーサル採用)

【事例2】株式会社ファーストリテイリング(ユニクロ)

【それまで抱えていた採用課題】

グローバル展開を急速に加速する中、日本独自の「新卒一括採用」のスケジュールに固執し、優秀な留学生や海外人材の獲得機会を逃しているのではと感じていた。

株式会社ファーストリテイリングでは、大学1・2年生からでも応募・選考に参加できる完全通年採用へ移行しました。また、最終面接合格後は、卒業後の入社権利を最大3年間保持できる仕組みを構築し、学生が留学やNPO活動などに挑戦できる環境を整えました。

【その結果】
自社の理念に強く共感し、世界で活躍できるグローバルリーダー候補の獲得に成功しました。学生は安心して学業や課外活動に打ち込めるため、入社時の成熟度が高まり、入社後の定着率やパフォーマンスの向上にも寄与しています。

長期的な視点で学生と関係を築くことで、相互の信頼に基づくマッチングを実現し、企業ブランドを高めています。

参照:株式会社ファーストリテイリング「通年採用・FRパスポートについて

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こちらの記事では、通年採用を含む新卒採用全般の戦略立案から実行まで、採用担当者が押さえるべき7つの実践ポイントを詳しく解説しています。母集団形成、選考プロセス、内定者フォロー、育成計画など、新卒採用の全体像を網羅的に紹介しています。

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5.通年採用に関するよくある質問(Q&A)

通年採用に関するよくある質問(Q&A)

最後に、通年採用の導入を検討中の担当者からよく寄せられる質問にお答えします。

Q.中小企業でも通年採用は導入できますか?

A.可能です。むしろ中小企業にこそチャンスがあります。

大手企業が一斉に採用活動を行う春の時期は、知名度で劣る中小企業はどうしても苦戦しがちです。しかし、通年採用であれば、大手の選考が終わった後に活動している優秀な学生や、部活動などで時期がずれた層にアプローチできます。

「秋採用」や「夏採用」といった形で採用ピークをあえて避けることで、競争率が低い状態で学生と接触できます。

Q.新卒一括採用と併用することは可能ですか?

A.はい、多くの企業が「ハイブリッド型」で運用しています。

いきなり全ての採用を通年に切り替えるのは、現場の混乱を招くリスクがあります。そのため、ボリュームゾーンとなる一般的な総合職の採用は従来通り春の一括採用で行い、専門性の高い技術職や、海外留学生枠などを通年採用枠として設ける方法が現実的です。

まずは一部の職種から試験的に導入し、社内の受け入れ体制やフォローのノウハウを蓄積していきましょう。

Q.インターンシップとはどう連携すべきですか?

A.インターンシップを通年採用の「入り口」として連携させるのが効果的です。

単なる職業体験で終わらせるのではなく、インターンシップでの実務やワークを通じて学生のスキルや適性を見極め、評価が高かった学生には早期選考や特別ルートとして通年採用を案内する仕組みを作ります。

学生側も企業理解が深まった状態で選考に進めるため、双方にとってミスマッチの少ない採用が実現します。

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6.採用の新しいスタンダード「通年採用」

通年採用は、単なる採用スケジュールの見直しではなく、企業と求職者がより対等な立場で向き合うための「採用手法のアップデート」と言えます。

変化の激しい時代において、採用手法の見直しは容易ではありません。まずは「秋採用の実施」や「一部職種での導入」など、スモールスタートから着手し、自社に適した運用ペースを見極めていくことが成功への近道です。

本記事が、貴社の採用活動を前進させる一助となれば幸いです。

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