ドライバー不足に悩む運送業界にとって、ドライバー派遣は効率的な人材確保の手段のひとつとして活用されています。
本記事では、ドライバー派遣を活用するメリットや、派遣会社の選び方、注意点などを解説します。
- トラックドライバー派遣を活用するメリット
- 優良なドライバー派遣会社の選定ポイント
- ドライバー派遣を活用する際の注意点
1.トラックドライバー派遣を活用するメリット
トラックドライバー派遣を上手に活用することで、さまざまなメリットが受けられます。
まず、採用コストと時間の削減です。ドライバーの採用には広告費や面接などに多くの時間と費用がかかりますが、派遣を利用することでこれらの手間を省けます。
また、派遣ドライバーは即戦力として活躍できるため、研修期間を短縮し、すぐに業務に取り掛かることが可能です。
さらに、繁忙期や季節ごとの需要変動にも柔軟に対応できる点も大きな魅力です。必要なときに必要な人数を確保できるため、無駄な人件費を抑えられます。
派遣ドライバーと企業の双方のニーズがマッチした場合は、直接雇用に切り替えることも可能で、正社員採用にも寄与できるケースもあります。
このように、トラックドライバー派遣は、効率的な運営とコスト管理に大きく貢献します。
2.ドライバー派遣会社の選定ポイント
優良なドライバー派遣会社を選ぶためには、いくつかの重要なポイントを押さえる必要があります。
まず、自社のニーズに合った派遣会社を選ぶことが大前提です。そして、ドライバーの質や紹介してもらえる人数、求人内容とのマッチング精度が高い会社を選ぶことが重要となります。
また、派遣会社が提供するスタッフの質と量が安定しているかも確認すべきポイントです。実績とサポート体制が充実している会社を選ぶことで、問題が発生した際にも迅速かつ適切な対応が期待できます。
料金体系が明確かどうかも重要です。限られた予算に見合ったサービスを提供してくれるかも、考慮する必要があります。
最後に、派遣スタッフを迅速に手配できる対応力も大切です。これらのポイントを押さえた上で、信頼できる派遣会社を選んでください。
3.おすすめのドライバー派遣会社12選
ドライバー派遣サービスを利用する際には、企業のニーズに合った信頼できる派遣会社を選ぶことが重要です。
以下では、全国展開している会社から地域密着型の会社まで、さまざまなドライバー派遣会社を12社紹介していきます。
各社の特徴や求人数、料金体系を参考に、自社の業務に最適な派遣会社を見つけてください。
ドライブワーク
ドライブワークは、非公開案件を含めて4,000件以上の求人を保有するドライバー派遣会社です。料金は見積りベースで提示されます。
北海道から沖縄まで全国に支店を展開しているため、どの企業でも活用できます。
派遣する前に担当者が適切なヒアリングや現場視察を行うことことで、業務内容に最も適した人材を派遣することが可能です。
エクスプレス・エージェント
エクスプレス・エージェントは、関東・東海・関西圏を中心に、非公開案件を含め1,000件以上の求人を取り扱っているドライバー派遣会社です。
料金は見積りベースです。特徴として、派遣ドライバーへの定期的なフォローアップを行い、必要に応じて人員の増員や業務内容の変更にも対応してくれます。
ビッグスドライブスタッフ
ビッグスドライブスタッフは、関西圏に特化したドライバー派遣会社です。トータルの求人数は不明です。料金は見積りベースで提示されます。
スピーディーな打ち合わせと最短1時間以内の見積り提示が特徴です。
また、派遣されたドライバーの事故や研修に関するバックアップ体制が社内常駐スタッフによってしっかりと整備されており、安心して派遣サービスを利用できます。
ランスタッド ドライバー派遣
ランスタッドドライバー派遣は、首都圏や東海圏を中心に展開しており、約35,000名のドライバーが登録している大規模な派遣サービスです。
料金は、2トン未満で2,000円/時から、2トン以上4トン未満で2,200円/時から、4トン以上大型未満で2,400円/時からです。
ただし、地域や業務内容によって料金が異なるので注意が必要です。
ドライバーの手配には数日から1か月程度の期間がかかりますが、採用までに関するすべての業務をランスタッドに一任できます。
また、入職前には、安全運転やマナーに関する導入研修が実施され、即戦力として活躍できるように準備されています。
フルキャストポーター
フルキャストポーターは、関東圏を中心に展開しているドライバー派遣サービスで、常時750件前後の案件を取り扱っています。料金は見積りベースです。
依頼内容や業務内容に応じた最適なサポートを提供するため、派遣前に会社や現場を綿密に視察します。
その視察に基づき、コーディネーターが適正な人材を選定するため、業務に即した人材を迅速に確保することが可能です。
ジャパン・リリーフ
ジャパン・リリーフは、約1,000件以上の案件を取り扱っています。料金は見積りベースです。要望や条件、予算に応じた最適なスタッフを迅速に人選します。
入社後も、ドライバーと企業双方のコンディションを確認することにより、円滑な業務遂行をサポートしてくれます。
また、全国に支店があるというメリットを活かして、地域を問わずサービスを提供できる点も魅力です。
セイノースタッフサービス
セイノースタッフサービスは、運輸業界で確固たる地位を持つセイノーグループの傘下にあるため、安心して利用できるドライバー派遣会社です。
グループ基盤が提供する安定性と専門性を活かし、時期・人数・能力といった多様な人事ニーズに的確に対応してくれます。
料金は成果報酬型で、採用が決まった場合にのみ費用が発生するシステムです。求人票の作成、応募者の人選、面接調整、合否連絡、給与条件の交渉といった業務も、すべて無料で対応してくれます。
プラウド(ドライバー派遣ネット)
株式会社プラウドは単にドライバーを派遣するだけでなく、トータル的なサポート体制に優れています。プロジェクトチームの結成から運営、次回施策の検討まで、常に顧客の立場に立って支援してくれます。
料金体系は見積りベースで、サービス内容、クオリティレベル、期日、などによって個別に対応してくれます。
安全運転指導の教習を受けたドライバーを派遣し、実務経験豊富なフィールドマネージャーが業務をサポートします。
ジックスタッフ
ジックスタッフは、東京・大阪・札幌に拠点を構えるドライバー派遣会社で、採用代行型のサービスを提供しており、採用までは費用が発生しません。
企業のニーズに応じた募集広告を作成し、業務に適した人材を確保することで、ミスマッチングの防止と派遣スタッフの高い継続率を実現しています。
ドライバー派遣ドットコム
ドライバー派遣ドットコムは、関東圏、東海圏、関西圏を中心に展開しています。非公開案件を含めて1,000件以上の求人を取り扱っています。
実際に派遣が開始されるまでは一切費用が発生しません。また、臨時的な繁忙期や季節的な業務にも対応できる柔軟性があり、短期間の派遣が必要な場合でも迅速に対応可能です。
AEロジスティクス
AEロジスティクスは、20~30代の若い世代のリクルーティングに特化したドライバー派遣サービスです。独自のノウハウを活かし、顧客のニーズに応じた柔軟な契約や就業形態の提案が可能です。
また商談からスタッフのマッチング、入職後のフォローに至るまで専任の担当者がスタッフと伴走し、きめ細やかなサポートを提供してくれます。
新規契約の場合、手続きには約2週間、基本契約が事前に結ばれていれば、最短2日でドライバーが派遣されます。
アルバクルー
アルバクルーは、首都圏と東海圏を中心に、1万人以上の登録スタッフを擁するドライバー派遣サービスです。オーダーメイド感覚での人材紹介が特徴で、料金体系は見積りベースです。
専任の営業担当者が企業のニーズを詳細にヒアリングし、必要な人材を慎重に選定することで、ミスマッチのリスクを最小限に抑えてくれます。
また、派遣前には提携自動車学校での研修が行われ、安全運転や業務遂行に必要なスキルを身につけた上で就業するため、事故のリスクも低減されます。
4.ドライバー派遣を活用する際の注意点
ドライバー派遣を効果的に活用するには、いくつかの注意点を押さえておく必要があります。
まず、派遣されたドライバーを他社へ再派遣することは禁止されているので、自社の業務に従事させる必要があります。また、車両は自社で用意することが原則です。
ドライバー派遣の雇用期間に関しても留意が必要です。2か月を超える雇用が義務付けられている一方で、3年を超えて継続して雇うことはできません。
さらに、派遣ドライバーの管理と教育については、自社が主体となって行う必要があります。
特に、安全運転や事故防止のための対策を徹底することは重要です。これには定期的な研修や指導を行い、派遣ドライバーが常に最新の安全基準を遵守できるようにすることが含まれます。
5.派遣会社へ依頼する際のよくある疑問
以下では、よくある疑問について、質疑応答の形式で回答しています。
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派遣ドライバーのスキルや適性は派遣会社が保証してくれるの?
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優良な派遣会社であれば、ドライバーの選定基準が明確に定められています。派遣会社は、事前のヒアリングを通じて企業のニーズをしっかりと把握し、その内容に適したスキルや経験を持ったドライバーを厳選して紹介します。
また、運転技術のチェックや適性検査なども独自に実施し、質の高い人材を提供できるよう努めています。したがって、採用する前に派遣会社とよく相談をすることが大切です。
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派遣ドライバーとの面接は禁止されているの?
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労働者派遣法では、派遣先企業が派遣社員を特定することを目的とした面接を行うことは禁止されています。これは派遣先企業が恣意的な人選を行わないようにするための規定です。
しかし、派遣会社が実施する面接に立ち会ったり、派遣会社から提供された情報をもとに人材を選考したりすることは認められています。
また、契約前の職場見学の場でコミュニケーションをとりながら、派遣社員の意向や業務への適応力を確認し、ミスマッチを防ぐためのすり合わせを行うのも有効です。
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派遣ドライバーの勤怠管理や日報作成は誰が行うの?
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基本的には、派遣先企業側が勤怠管理や日報作成を行います。安全管理やセクハラ等の防止も派遣先企業の管理項目です。
ただし、派遣会社によっては、ITツールを用いた勤怠管理の代行サービスを提供しているところもあります。
また、運行管理者として派遣ドライバーの運転状況を定期的にチェックし、サポートするサービスを行う派遣会社もあります。契約の際には、具体的な管理方法と役割分担について、派遣会社としっかり確認してください。
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ドライバーに問題があった際の派遣会社の対応は?
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ドライバーの勤務態度やスキルに問題があった場合、まずは派遣先企業から派遣会社に連絡を入れることが重要です。派遣会社が事実関係を確認し、必要に応じてドライバーへの指導や注意喚起を行ってくれます。
状況が改善されない場合には、派遣ドライバーの交代や契約解除といった適切な対応をしてくれます。特に優良な派遣会社であれば、トラブル発生時の緊急対応体制も整っているため、安心して業務を任せることが可能です。
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派遣料金の相場はどれくらい?
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ドライバー派遣の料金は、地域や車種、派遣期間などによって異なります。多くの派遣会社では、個別の見積りによって料金が決まるため一概には言えませんが、目安として、大型トラックの場合、8時間で2〜4万円程度と考えてください。
契約時には、料金体系を明確にした見積書を取り交わすことが大切です。見積書には基本料金のほか、残業代や交通費、事務手数料などがすべて明記されているかを確認してください。また複数の派遣会社から見積りを取り、料金の比較をすることも重要です。
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ドライバー派遣の依頼からスタッフ到着までの期間は?
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ドライバー派遣の手配期間は、案件の内容や派遣会社の手配状況によって異なります。
すでに登録済みのドライバーがいる派遣会社であれば、依頼から数日で派遣が実現することもあります。
一方、ヒアリングを行い、企業の要望に沿うように人材の募集をかける場合は、もう少し時間がかかることがあります。
繁忙期や特殊な条件の場合は、さらに時間を要するケースもあるため、派遣会社との密なコミュニケーションを通じて、適切なドライバーの手配を急ぐようにしてください。
6.各社の特徴を理解して、トラックドライバー派遣を活用しよう
ドライバー派遣を上手に活用するには、自社のニーズに合った優良な派遣会社を選ぶことが重要です。
派遣ドライバーの管理や教育にも注意が必要です。派遣会社との密なコミュニケーションを通じて、効率的な人材確保を実現しましょう。