Indeedの有料掲載は、求人情報の露出度を高め、効果的な採用活動を実現するツールです。クリック課金制を採用し、予算管理が容易で、多くの求職者にリーチできる点が特徴です。
本記事では、Indeedの有料掲載のメリットやデメリット、効果的な活用方法を詳しく解説します。
- Indeedの有料掲載と無料掲載の違い
- クリック課金制の仕組みと予算管理の方法
- Indeedでの効果的なSEO対策のポイント
1.Indeedの有料掲載とは?無料掲載との違いを解説
Indeedには無料掲載と有料掲載の選択肢があり、それぞれに特徴があります。
以下に、両者の主な違いをまとめました。
求人の露出度
無料掲載は基本的に検索結果の下位に表示されるため、求職者の目に留まる機会が少なくなります。一方、有料掲載は検索結果の上位に表示されることが多く、より多くの求職者に見てもらえる可能性が高くなります。
Indeedアナリティクス
求人ごとのクリック数・クリック率・応募開始率・応募完了率といった、求職者の行動をより深く理解するためのデータを取得・分析する機能です。無料掲載でもこのアナリティクス機能の利用は可能ですが、クリック数が直近7日分しか表示されません。一方、有料掲載では無料掲載との比較や、デバイス別の比較も可能です。
Indeed PLUS(インディードプラス)
Indeedと提携する他の求人サイトにも求人情報が掲載されるサービスです。このIndeed PLUSは有料掲載に限り利用可能で、求人の効果を最大化し、より効果的な採用活動を実現できます。
2.Indeed有料掲載の料金体系を解説
Indeedの有料掲載は、クリック課金制という料金モデルを採用しています。
以下では、クリック課金制の仕組み・職種別のクリック単価相場・予算管理のコツについて詳しく解説していきます。
クリック課金制の仕組み
クリック課金制とは、対象広告がクリックされたときにのみ費用が発生する仕組みです。利用料金は「クリック単価×クリック回数」で計算されます。
クリック課金制の特徴として、掲載期間や求人数に関わらず、実際に求職者に求人情報が閲覧された際に料金が発生するため、コストを抑えられます。
また、月額料金や手数料、成果報酬といった追加の費用がかからない点も魅力的です。
求人が閲覧されないのに掲載料金だけが発生するリスクがないため、支出した費用に対する求人広告の効果を最大化することが可能です。
職種別のクリック単価相場
Indeedのクリック単価は、職種ごとの競合性や求人が掲載されるエリア、さらには雇用形態によっても変動します。
クリック単価はシステムによって決定されるため、具体的な金額を一概に断言することは難しいですが、職種別の目安としては以下の通りです。
業種 | 価格帯 |
---|---|
飲食業 | 100円〜300円 |
小売業 | 100円〜300円 |
教育 | 40円〜200円 |
建築業 | 40円〜400円 |
運送業 | 50円〜200円 |
アパレル | 100円〜400円 |
住宅不動産 | 100円〜300円 |
人材紹介・派遣業 | 100円〜200円 |
医療・介護 | 100円〜500円 |
フィットネス | 100円〜500円 |
製造 | 100円〜300円 |
予算管理のコツ
Indeedの有料掲載サービスを限られた予算で効果的に活用するためには、以下で解説する予算の設定と請求のタイミングをよく理解することが求められます。
予算を設定できる
Indeedの有料掲載サービスでは、予算を事前に設定できます。
キャンペーンごとに予算を設定でき、設定した予算の上限に達すると、自動的に有料掲載が終了する仕組みです。
これにより、予算を超過してしまう心配がなく、コストをしっかりとコントロールできます。
予算の単位としては、「平均日額」に加えて「月額上限」を設定でき、これにより1日の支出をコントロールしながら、全体の予算枠を管理することが可能です。
また、求人広告の掲載期間についても「終了日」を設定することで、期間を限定して予算を運用できます。
一般的には、1名の採用につき10万円から20万円を目安に予算を組むことが推奨されます。ただし、職種や地域によってクリック単価は異なるため、それを踏まえた計画的な予算配分が重要です。
Indeedからの請求のタイミング
通常、Indeedの請求は、利用金額(クリック単価×クリック回数)が4万円に達するたびに発生します。
例えば、月間の利用額が4万円を超えた場合、その時点で請求が行われます。一方で、月内の利用額が4万円未満の場合は、月末締めとなり、翌月の月初にまとめて請求が行われます。
これは4万円を超えた利用額分が再度4万円に満たない場合も同様です。
Indeedの有料掲載サービスを初めて利用する際、掲載開始後の利用料金が約2,000円に達した時点で一度請求が発生します。そして、通常の請求サイクルに移行します。
これらの請求タイミングを理解しておくことで、予算管理が容易になり、支払いのタイミングに関しても計画的に対応することが可能です。
3.Indeed有料掲載のメリット7選
Indeedの有料掲載は、求人広告の効果を最大化するために設計された強力なツールです。
以下では、Indeed有料掲載の具体的なメリットを7つ紹介します。
表示回数の増加
Indeedによると、有料掲載では、求人情報の表示回数が無料掲載と比較して約3.5倍に増加するとのデータがあります。
これは、有料掲載が求人情報を検索結果の上位に表示することで、より多くの求職者の目に留まる機会を増やしているためです。
表示回数の増加に伴って求人への応募数も増えると期待でき、より適した人材を迅速に確保できる可能性が高まります。
参照:予算設定・解除方法 – ダッシュボード操作 –│Indeed
より多くのユーザーの目にとまる
日本国内において、Indeedは月間訪問数が約3,700万以上(2023年7月時点)の巨大な求人プラットフォームです。
有料掲載を利用することで、これらの求職者の目にとまる機会が大幅に増加します。
また、Indeed PLUSを利用すれば、Indeed以外の他の求人サイトにも広告を掲載することが可能です。リーチをさらに広げ、より幅広い人材プールから最適な候補者を見つけるチャンスが増えました。
工夫次第で高い費用対効果が期待できる
Indeedの有料掲載は、クリック課金制の料金モデルを採用しており、企業の採用計画や予算に応じて柔軟に運用することが可能です。
短期間で集中的に予算を投下して高額に設定、あるいは長期運用を見据えた形での費用設定もできます。
また、ターゲットの絞り込みやキーワードの選定といった運用の工夫次第で、より高い費用対効果を期待できる点も有料で掲載する大きなメリットです。
求人数や掲載期限のリミットがない
掲載課金制のプラットフォームでは、求人数や掲載期限にリミットが設定されていることが多く、求人情報の更新や追加に制約が生じる場合があります。
一方、Indeedの有料掲載はクリック課金制を採用しているため、掲載する求人数やその期限に制限がありません。したがって、企業は複数の求人を同時に掲載したり、長期的に募集を行ったりすることが可能です。
自由に原稿の修正ができる
Indeedの有料掲載では、求人原稿の修正がいつでも自由に行えます。
採用状況や市場の変化に応じて原稿内容を適宜修正できるため、常に最新の情報を求職者に提供することが可能です。
これにより、応募者の質を向上させたり、より的確な人材にアプローチしたりできるようになります。
有料の開始や停止が自由にできる
Indeedでは、有料掲載と無料掲載の切り替えが自由に行えます。
例えば、採用活動を一時停止したい場合や、予算の都合で一時的に無料掲載に戻したい場合でも、柔軟に対応できる点が魅力です。
また、求人が充足した際には、迅速に有料掲載を停止し、費用を無駄にしない運用が可能です。企業は採用ニーズに応じて、最適なタイミングで有料掲載を活用できます。
細かなデータ分析ができる
Indeedの有料掲載では、Indeedアナリティクスを通じて詳細なデータ分析が可能です。
求人の表示回数・ページの閲覧数・応募数・クリック率などの確認を通じて、求人広告の効果を細かく把握できます。
また、予算の管理も容易に行えるため、費用対効果の算出も簡単です。
さらに、職種や時期、募集条件といった細かなデータに基づいて分析をすれば、将来的な採用活動に役立てることが可能です。
4.Indeed有料掲載のデメリット
Indeedの有料掲載は、多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。
以下では、代表的なデメリットとその対策を紹介していきます。
費用の掛け捨てのリスクがある
クリック課金制の特徴として、表示された求人がクリックされるに至った時点で費用が発生します。
しかし、いくらクリック数が多くても、実際の応募につながらない場合、費用が掛け捨てになってしまうリスクがあります。
クリックから応募へと結び付けるためには、求人原稿の内容を精査し、応募者にとって魅力的かつ具体的な情報を提供することが重要です。
また、クリック数と応募数を定期的に分析し、必要に応じてターゲティングを調整することで、掛け捨てのリスクを軽減できます。
運用するための知識が必要
Indeedは、自由度が高いプラットフォームである反面、運用するための知識が必要です。
設定する項目が多く、特に予算の管理やターゲティングなど、どこから手をつければ良いかわからなくなることもあるかもしれません。
このような場合、専任の担当者を設けるか、Indeedの運用に詳しい代理店に依頼することが有効な対策となります。
専門的な知識を持った担当者や代理店のサポートを受けることで、効率的に運用し、効果の最大化が可能です。
5.Indeed求人の掲載方法(有料・無料共通)
Indeedでの求人掲載では、直接投稿とクローリングという2つの主要な方法があり、自社の採用ニーズやリソースに応じて、適した方法は異なります。
以下では、それぞれの方法について詳しく解説していきます。
直接投稿
直接投稿は、Indeed上で求人情報を直接入力する一般的な求人掲載方法です。まず、指定されたフォーマットの項目に必要な情報を入力していきます。
入力の完了後に公開設定を行えば、最大72時間以内で審査が実施され、求人がIndeedに掲載されます。
これは、自社の採用ホームページを持っていない場合や、持っていてもクローリングの対象条件を満たしていない場合に適した方法です。
クローリング
クローリングとは、自社の採用ページに掲載している求人情報をIndeedのシステムに自動で読み込ませ、Indeed上でも同じ情報を掲載する方法です。
クローリングでは、自社サイトからIndeedへの求人情報の転送が自動化されるため、求人情報を一度に多く掲載したい場合に役立ちます。
また、自社の採用ページに訪問したユーザーの行動を、Web分析ツールで詳細に追跡することも可能です。
ただし、求人ページがIndeedの設けた基準に適合していないと、クローリングがうまく機能しない可能性があるため、注意が必要です。
6.SEO(検索エンジン最適化)が強いIndeedで有料掲載を
Indeedは、SEO(検索エンジン最適化)の観点からも優れたパフォーマンスを発揮しています。
以下ではその理由と、有料掲載をする際のSEO対策のポイントについて詳しく解説していきます。
なぜIndeedはSEOに強いのか
IndeedがSEOに強い理由として、以下の3つがあげられます。
①求職者・企業の利用者の圧倒的多さ
IndeedがSEOに強い理由のひとつは、圧倒的な利用者数です。国内外で数多くの求職者と企業に利用されており、その規模は他の求人サイトを圧倒しています。
国内では月間約3,700万の訪問者(2023年7月時点)がIndeedを利用し、国外でも世界中で毎月約3億以上のユニークアクセス(2022年9月時点)があります。
これにより、検索エンジンの結果にも高く表示される傾向があります。
②豊富な求人数と情報量の多さ
Indeedは、企業からの利用が非常に多いため、常に豊富な求人情報を掲載しています。
この情報量の多さが、IndeedのSEO強化に寄与しています。求人情報が多いということは、それだけ多くのキーワードに対応できるということです。
それに加え、詳細な情報や企業のプロフィールも掲載されており、求職者は自分に合った仕事を見つけやすくなります。
これらの要素が、Indeedの検索結果での優位性を確保しています。
③ユーザーファーストに重点をおいている
Indeedのサイトは、シンプルで使いやすい設計が特徴であり、求職者が求める情報を迅速かつ簡単に見つけられるよう工夫されています。
地方の市町村名での求人検索が可能で、企業の口コミや給与調査といった利用者に役立つ情報も豊富に提供されています。
こうしたユーザーに優しい設計が、検索エンジンからも高く評価されています。
IndeedにおけるSEO対策のポイント
SEOに強いとされるIndeedですが、競争の激しい求人市場において、ただ掲載するだけでは他社に埋もれてしまう可能性があります。
自社の採用ページもしっかりとSEO対策を施し、求職者にとって魅力的で見つけやすいページを作成することが重要です。
以下に、Indeedにおける効果的なSEO対策のポイントを紹介していきます。
自社の採用サイトを作る
Indeedに求人情報を掲載する際、自社の採用サイトを持っていることは非常に重要です。
直接投稿をする場合でも、自社の採用サイトを作成しておくことで、求職者が企業の情報を詳細に把握でき、安心して応募できる環境を整えられるからです。
また、Indeedでの掲載期間が終了すると、求人情報は自動的に削除されますが、採用サイトがあれば求人情報を公開し続けられます。
そのため、長期間にわたって採用活動を行う際の支えとなります。
1つの職種に勤務地は1つ
Indeedでの求人掲載には、掲載基準が設けられています。
これに違反すると求人情報が掲載されない可能性があります。その中でも重要なのが「1職種、1勤務地」の原則です。
つまり、1つの求人情報には1つの職種と1つの勤務地のみを設定する必要があります。
そもそも、複数の勤務地や異なる職種を同じ求人情報で募集することは、求職者にとって混乱を招きます。応募者に明確でわかりやすい求人情報を提供することで、より効果的な募集が可能です。
応募導線をスムーズに作成
Indeedでの求人広告が多くの求職者にクリックされても、応募までの導線が複雑だと、応募に至らず費用が無駄になってしまう可能性があります。
特に、求職者の多くがスマートフォンを利用して求人情報を閲覧しているため、モバイルフレンドリーな応募プロセスの設計は欠かせません。
応募までの入力項目を減らし、簡単かつ迅速に応募できるようにすることで、離脱率を低減させ、応募率を高められます。
仕事内容を具体的に記載する
求人情報を作成する際には、仕事内容をできるだけ具体的に記載することが重要です。
例えば、「営業職」というだけでは、求職者にとってどのような業務を行うのかがわかりづらく、応募をためらう原因となります。
新規開拓営業なのか、既存顧客のフォロー営業なのかといった具体的な内容を記載することで、求職者も自分に適しているかどうかの判断が可能です。
求職者の目線に立ち、彼らが知りたい情報を明確に提示することで、応募者の質や数の向上が期待できます。
キーワード選定を間違えない
Indeedにおける求人情報の成功には、適切なキーワード選定が不可欠です。求職者がどのようなキーワードで検索するのかを考え、それを求人情報に反映させることが重要です。
特に、「職種名」、在宅勤務などの「働き方の自由度」に関連するキーワード、未経験者歓迎などの「対象人材」をカバーするキーワード、「企業文化」、「待遇やキャリアアップの可能性」など、求職者が関心を持つであろう要素を含めることがおすすめです。
適切なキーワード選定により、求人情報が検索結果に表示されやすくなり、多くの応募者を引き寄せられます。
Indeedの規則を守る
Indeedでの求人掲載には、遵守すべき主要な規約があります。
- 「コミュニケーション規約」
1つの職種に対して1つの勤務地を設定するなど、求職者が混乱しないような明確な情報提供が求められます。 - 「応募に関する規約」
応募ボタンを押して進んだ先のページが自社の採用サイトであることが必要です。 - 「差別に関する規約」および「合法性に関する規約」
求人内容が法的に問題ないこと、差別的な表現を含まないことが求められます。 - 「プラットフォームの不正使用に関する規約」
虚偽の求人や頻繁な再投稿など、求人情報の不正使用を禁止しています。
これらの規約を守ることで、求人情報がIndeed上での信頼性を保ち、適切な求職者に届くようにすることが可能です。
7.Indeedの有料掲載を最大限活用しよう
Indeedの有料掲載は、採用活動を効果的に推進する強力なツールです。
クリック課金制による柔軟な予算管理、高い露出度、詳細なデータ分析など、多くのメリットがあります。
一方で、運用には知識が必要で、費用対効果を最大化するには戦略的なアプローチが求められます。
自社の採用ニーズを見極め、SEO対策やキーワード選定にも注力することで、Indeedを通じてより質の高い採用活動を実現できるでしょう。Indeed有料掲載は、採用成功への近道となるでしょう。