運送会社の採用担当必見!効果的なドライバー採用戦略のポイントの画像

運送会社の採用担当必見!効果的なドライバー採用戦略のポイント

運送業界は深刻なドライバー不足に直面しています。2024年問題をはじめ、生産年齢人口の減少や高齢化も進む中、ドライバーの確保は喫緊の課題となっています。

本記事では、そんなドライバー不足の実態と採用成功のための戦略について解説します。

この記事を読んでわかること
  • 運送業界におけるドライバー不足の現状と影響
  • ドライバー採用を成功に導く3つの施策
  • ドライバー採用の成功事例から学ぶ実践的なヒント

1.運送会社のドライバー不足の実態と理由

【運送会社】ドライバー不足の実態と理由

運送業界では、長時間労働や低賃金、少子高齢化などが原因で、人材確保が困難になっています。

2024年問題による残業時間の上限規制もあり、人手不足の状況は今後さらに悪化すると予測され、業界全体に大きな影響を与えつつあります。

ドライバー不足の実態

運送業界は他の産業と比較して労働時間が長く、賃金も低い傾向にある業界です。

経済産業省などが公表する「我が国の物流を取り巻く現状と取組状況(※1)」によると、トラックドライバーは全産業の平均値と比較して年間労働時間が約2割長く、年間所得額は5~10%ほど低い値となっています。

また、総務省が公表している調査によると、国内では生産活動の担い手となる生産年齢人口が1995年を頂点に減少し続けており(※2)、さらに総人口に占める高齢者の割合は29.1%(※3)と世界で最も高い水準となっているのが現状です。

このような社会的背景も相まって、運送業界ではドライバーの人材不足と就業者の高齢化に悩まされている企業が少なくありません。

(※1)我が国の物流を取り巻く現状と取組状況(p.8,10)|経済産業省・国土交通省・農林水産省
(※2)令和4年版 情報通信白書(p.26,27)|総務省
(※3)統計からみた我が国の高齢者(p.1)|総務省

ドライバー不足の影響

経済産業省の「令和4年度産業経済研究委託事業」によると、国内のトラックドライバー人口は1995年の約98万人をピークに一貫して減少傾向にあるのが現状です。

2030年になるとトラックドライバー人口は約51万9,000人にまで減少すると予測されており、運送業界における人材不足は今後さらに深刻化していくといえるでしょう。

運送業界の企業がドライバーを確保するためには、賃金の引き上げや福利厚生の充実、労働環境の改善といった対策が必要です。

しかし待遇の改善を図れば人件費が高騰し、企業の利益率が圧迫される可能性もあります。そうなると運送会社はそのコストを補うために、運賃を引き上げざるを得ない状況に陥りかねません。

また、2024年4月1日より、自動車運転の業務に時間外労働の罰則付き上限規制が適用されました。

時間外労働の上限規制で懸念されるのが、ドライバーの労働時間削減による輸送能力の減少です。

それが配送の遅延やサービス品質の低下を招く要因となって、国内のサプライチェーン全体にマイナスの影響を及ぼすリスクが懸念されます。

参照元
令和4年度産業経済研究委託事業(p.5)|経済産業省
トラック運転者の改善基準告示が改正されます!|経済産業省

ドライバー職の採用難易度が高い理由

ドライバー職の有効求人倍率は他の職種と比較して高い傾向にあり、これはドライバーの需要に対して供給が追いついていないことを意味します。

ドライバー職は業務の肉体的負荷や拘束時間に対して賃金が低く、さらに業務中の交通事故による身体的・金銭的なリスクも懸念される職種です。

こうした労働環境の悪さがクローズアップされがちな業界のため、とくに若年層や女性から敬遠される傾向にあります。

このような背景から運送業界のドライバーは不人気職種として認知されており、生産年齢人口の減少と相まって採用の難易度が高くなっていると考えられます。

2.ドライバー採用を成功に導く3つの戦略

ドライバー採用を成功に導くためには、以下に挙げる3つのポイントを意識することが大切です。

1|魅力的な求人広告の作成と発信

採用活動では、魅力的な求人広告を作成すると共に、ターゲットとなる求職者の属性に応じた発信方法を意識しなくてはなりません。

たとえば、デジタルネイティブな若年層にはSNSやWeb広告を中心とした情報発信を展開し、中年層・高齢層は求人サイトやハローワークを活用するなどの使い分けが必要です。

求人広告の発信媒体をターゲットの属性に合わせることで、無駄な広告費を削減しつつ、求職者に対して効率的にアプローチできる可能性が高まります。

また、ドライバー採用の可能性を高めるためには、経験者や若年層に限定するのではなく、未経験者や女性などの幅広い層に対する積極的なアプローチが重要です。

2|採用プロセスの最適化と応募者との良好なコミュニケーション

せっかく応募してくれた求職者の離脱を防ぐためには、採用フローの設計が重要です。

たとえば、オンラインを介した応募システムを導入することで、申し込みから面接に至るプロセスが簡素化され、求職者の応募に対する心理的なハードルを下げる効果が期待できます。

また、応募者の懸念を払拭したり、魅力づけのためのコミュニケーションも重視するべきポイントです。

ドライバー職はあまり人気のない職種として認知されているため、説明会で企業の魅力や職務のやりがいを伝えると共に、将来的な希望を感じさせるキャリアパスを明示することで、求職者の不安を軽減できる可能性が高まります。

3|ドライバーの働きやすさを追求する環境づくり

採用活動を推進する上で重要な課題となるのが、ドライバーの働きやすさを追求する環境づくりです。

運送業界の企業が優秀なドライバーを確保するためには、薄給激務という業界特有のイメージを払拭する取り組みの推進が欠かせません。

そのためには、労働環境の抜本的な見直しと改善が必要です。

たとえば運行管理システムを導入し、最適なルート設定や配車管理、日報作成などを自動化できれば、業務の効率化と適切なシフト管理によって過重労働を削減できます。

また、ドライバーにとって魅力的な報酬制度や福利厚生を設計すると共に、キャリア形成を支援することで離職率や定着率の改善が期待できます。

3.採用担当者が意識したい動き方

ドライバー採用を成功させるために

優秀なドライバーを採用するためには、以下に挙げる3つの要素を意識して採用活動を進めることが重要です。

経営層を巻き込んだ採用活動の推進

運送会社にとってドライバーは極めて重要な経営資源のひとつであり、現場レベルに留まらない全社戦略に基づく採用活動の推進が求められます。

そのためにはドライバー採用を経営戦略に組み込み、経営層を巻き込んだ採用活動を推進しなくてはなりません。

とくに重要な課題となるのが、経営層が採用活動の重要性を理解し、人材確保に向けたビジョンの浸透を図ることです。

経営層の巻き込みによって採用活動が全社的な重要課題として認識され、組織全体が採用活動に向けてコミットする姿勢を強化できます。

現場と連携して採用要件を設定

採用戦略を立案・策定する際は、現場のニーズに基づく採用要件の設定が不可欠です。

ドライバー職は特定の技能や特性を必要とする場合が多いため、求められる運転技術のレベルや特定車種の運転経験など、現場のフィードバックを反映させた要件設定が求められます。

配車管理や労務管理の担当者の意見を取り入れ、現場の実情を踏まえた要件を設定することで、採用後のミスマッチを防止できる可能性が高まります。

また、優秀なドライバーの行動特性を言語化・数値化してナレッジに変換し、採用基準の項目に設定するといった施策も重要です。

採用スキルの向上と情報発信力の強化

採用担当者には、自社に必要なドライバーの特性を把握する分析力や、求職者から必要な情報を引き出す質問力、また求職者の適性を客観的に見極める論理的思考力などが求められます。

そのため、優れたドライバーを確保する上では、採用担当者のスキルアップを図る仕組みが欠かせません。

加えて、現代はデジタル技術の進展に伴ってWebマーケティングの重要性が高まっているため、リクルートサイトやSNSなどを介した情報発信力の強化も必要です。

自社の魅力やビジョンを言語化し、さまざまな媒体を通じて発信することで、より多くのターゲットにリーチできると共に、求職者の応募意欲を喚起する効果が期待できます。

4.ドライバー採用の成功事例から見る2つのヒント

ここでは厚生労働省の「地域で活躍する中小企業の採用と定着 成功事例集」を参考にしながら、ドライバー採用の成功事例を紹介します。

①多様な人材を採用、さまざまな人材が活躍できる職場に

大橋運輸株式会社では、価格競争の激化によって経営状況が悪化しており、優秀なドライバーの確保が喫緊の課題となっていました。

そこで同社は、多様性を活かしながら組織力の総合的な強化を目指すダイバーシティマネジメントを採用戦略に取り入れます。

具体的には「週3日勤務」「1日4時間」「午前でも午後でも勤務可」といった幅広い条件でドライバーを募集し、子育て世代の女性や外国人、障がい者などの積極的な採用を推進しました。

それによってドライバー職の人材不足を補うと共に、多様な属性の人材が活躍できる職場環境の確立に成功しています。

参照元:地域で活躍する中小企業の採用と定着 成功事例集(p.18)|厚生労働省

②ターゲットに合った求人ページを作成

採用活動では、ターゲットとなる求職者が重視している価値観を理解し、そのニーズに応える採用活動を展開することが重要です。

それによって求職者が入社後の実態と期待のギャップを理解して受容しやすくなり、離職率や定着率を改善する効果も期待できます。

たとえば西表島交通株式会社では、県外出身の資格保有者をターゲットに設定し、求職者の興味・関心を多角的に分析した上で求人ページを作成している点が大きな特徴です。

さらに経営方針や離島の地域特性に関する情報をSNSで発信し、県外出身の経験豊富な求職者を募ると同時に、移住後のミスマッチを防止しています。

その上で資格取得支援や講習、業務のデジタル化など、未経験者にも応募しやすくする工夫を取り入れています。

参照元:地域で活躍する中小企業の採用と定着 成功事例集(p.24)|厚生労働省

5.ドライバー採用に特化した6つの専門サービス

採用戦略を効率的に推進したいのであれば、人材紹介サービスや求人広告の活用がおすすめです。ここではドライバー職の採用に特化した代表的なサービスを6つ紹介します。

ドライバー採用に特化した専門エージェントを活用

プレックスジョブ

プレックスジョブ

プレックスジョブは、物流業界や建設業界の求人情報を掲載している人材紹介サービスです。

ドライバー職はもちろん、施工管理技術者や自動車整備士など、エッセンシャルワーカーを採用したい企業に適しています。

https://plex.co.jp/plexjob

ドライバーキャリア

ドライバーキャリア

ドライバーキャリアは、ドライバー職や配車係などを専門とする人材紹介サービスです。

ドライバー志望者の90%以上が有資格者となっており、即戦力の人材を採用できる可能性が高いという利点があります。

https://www.xmile.co.jp/service/drivercareer

ドライバーエージェント

ドライバーエージェント

ドライバーエージェントは、運輸・物流業界に特化した人材紹介サービスです。

運送業界や建設業界、廃棄物処理業、バス・タクシー業界など、国内の物流ネットワークを支える業界のドライバー採用をサポートしてくれます。

https://driver-agent.work/

ドライバー採用に特化した求人広告を活用

ドラEVER

ドラEVER

ドラEVERは、トラックドライバーや営業ドライバー、タクシードライバーといったドライバー職を専門とする求人情報サイトです。

求人情報の管理や更新を簡単に実行できるため、採用活動における企業側の手間を軽減できます。

https://doraever.jp/

シン・ノルワークス

シン・ノルワークス

シン・ノルワークスは、送迎業務や路面清掃、広告宣伝カー、特殊車両など、幅広い領域のドライバー採用に特化した求人情報サイトです。

未経験者の求人も取り扱っており、幅広い属性のドライバーを採用できる可能性が高まります。

https://noru-works.jp/

ドライバーズワーク

ドライバーズワーク

ドライバーズワークは、タクシードライバーを専門とする求人情報サイトです。

数ある自動車運転の業務でもタクシードライバーに特化しているため、タクシー業界ならではの採用要件に最適化された求人広告を出稿できます。

https://www.drivers-work.com/

6.ドライバー採用を成功させるために

ドライバー採用の成功には、魅力的な求人広告の作成・発信、採用プロセスの最適化、働きやすい環境づくりが不可欠です。

経営層の巻き込みや現場との連携、採用担当者のスキルアップも重要です。

専門エージェントや求人広告の活用で、効率的な採用活動を実現しましょう。

ドライバー向け人材サービス
【カラフルエージェント ドライバー】

トラックドライバー・タクシードライバー等の採用にお困りの方は、「カラフルエージェント ドライバー」にご相談ください!即戦力人材から若手未経験人材まで、各社のニーズに合わせて最適なご提案をいたします。