「エンジニアの募集をかけても応募がこない」と悩む企業も多いのではないでしょうか。現在、エンジニアは深刻な人材不足が続いており、採用難易度が高まっている職種です。そのため、従来の求人広告や人材紹介だけでは、求める人材に出会えないケースが増えています。
こうした状況を打開する鍵として、いま注目を集めているのが「ダイレクトリクルーティング」です。本記事では、なぜエンジニア採用にダイレクトリクルーティングが不可欠なのか、そしてエンジニアの心に響くアプローチ方法とは何かを、市場データを交えて解説します。
- なぜエンジニア採用にダイレクトリクルーティングが必要かがわかる
- エンジニア採用特有の難しさの背景がわかる
- エンジニアに響くスカウトメールの訴求ポイントがわかる
1.なぜ今、エンジニア採用にダイレクトリクルーティングが必要なのか?

エンジニア採用は、なぜこれほど困難になっているのでしょうか。ここでは、「待ち」の採用手法が限界を迎えている理由と、ダイレクトリクルーティング市場が急速に成長している背景を解説します。
深刻化するIT人材の「質」と「量」の不足
日本企業におけるIT・DX人材の不足感は、近年急速に悪化しています。 IPAの調査によれば、DXを推進する人材の「量」が大幅に不足していると回答した日本企業は、2021年度の30.6%から2022年度には49.6%へと急増しました。
同様に「質」についても、大幅な不足を感じる企業が30.5%から51.7%へと増加しています。この深刻な人材不足が、エンジニア採用の難易度を押し上げている根本的な原因と考えられます。
エンジニアの確保状況
「量」が不足していると感じている企業
「質」が不足していると感じている企業
さらに、米国企業の73.4%が「エンジニアの数は充足している」と回答しているのに対し、日本企業ではわずか10.9%にとどまっています。この数字から、日本では世界的に見ても深刻なエンジニア不足が進んでいることが分かります。
出典:IPA独立行政法人情報処理推進機構「DX白書2023」を基に作成
従来の「待ち」の採用手法の限界
優秀なエンジニアは、転職市場に現れる前に他社からのアプローチを受けているか、あるいは現職で満足しており積極的に転職活動を行っていないケースも少なくありません。
このような人材枯渇の状況下では、従来の求人広告や人材紹介会社を利用した「待つ」手法だけでは、必要な人材に出会うこと自体が困難になっています。

企業側が主体的に人材データベースにアクセスし、求める人材を能動的に探し出すアプローチが求められています。
急成長するダイレクトリクルーティング市場と「攻め」の採用への移行
こうした背景から、企業が「攻め」の採用手法であるダイレクトリクルーティングへ移行する動きが加速しています。
株式会社矢野経済研究所の調査によれば、国内のダイレクトリクルーティングサービス市場は急成長を続けており、2023年度の市場規模は1,074億円(前年度比23.2%増)に達しました。
国内ダイレクトリクルーティングサービス市場規模 推移
出典:株式会社矢野経済研究所
企業の人材獲得競争の激化を背景に、採用要件を満たす人材へ直接アプローチできるダイレクトリクルーティングの需要が高まっています。
参照:株式会社矢野経済研究所「ダイレクトリクルーティングサービス市場に関する調査(2024年)」
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2.ダイレクトリクルーティングとは?

エンジニア採用に不可欠なダイレクトリクルーティングですが、ここでは、改めてその定義をおさらいします。従来の採用方法との違いやメリット・デメリットを確認しておきましょう。
企業から直接アプローチする「攻め」の採用手法
ダイレクトリクルーティングとは、企業が自ら「欲しい」と感じる人材を探し出し、直接アプローチする採用手法です。
| 従来の手法 | 求人サイトや人材紹介会社に登録している「転職顕在層」(積極的に転職活動をしている人)を中心としたアプローチ |
| ダイレクトリクルーティング | 「転職顕在層」だけでなく「転職潜在層」(良い条件があれば転職を考えてもよい人)にも接触できる |

企業は求人サービスが提供する人材データベースを検索し、候補者の経歴やスキルを確認した上で、スカウトメールを送信します。
参照:コトバンク「ダイレクトリクルーティングとは? 意味や使い方」
人材紹介(エージェント)との違い
人材紹介は、企業の採用要件をエージェントに伝え、エージェントが適合する人材を探して紹介するサービスです。
人材紹介のマッチングプロセス
企業
人材紹介会社
優秀な人材
採用が決定した際は、成功報酬として紹介手数料を支払います。 一方、ダイレクトリクルーティングは、企業自らが候補者を探してアプローチします。料金体系はサービスにより異なりますが、データベースの利用料と成功報酬の組み合わせが一般的です。
ダイレクトリクルーティングのメリットとデメリット
ダイレクトリクルーティングのメリットは以下の通りです。
■メリット
- 転職潜在層を含む幅広い候補者に直接アプローチできる
- 人材紹介に比べて採用コストを抑えられる
- 自社の魅力を直接伝えられるため、ミスマッチを防ぎやすい
一方で、デメリットとして運用の工数(手間)がかかる点があげられます。候補者の検索、スカウトメールの作成・送信、面談調整など、採用担当者が行うべき作業が多く、体制を整えずに始めると業務負荷が増大する可能性があるのです。
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3.エンジニア採用を成功させるダイレクトリクルーティングの運用

ダイレクトリクルーティングを導入しても、エンジニアに響くアプローチをしなければ成果は出ません。ここでは、スカウトメール作成の具体的なコツや、採用ペルソナの重要性について解説します。
エンジニアが転職を決意する「3つの動機」
エンジニアにアプローチする際は、一般職と同じ訴求では響かないケースも珍しくありません。まずは、エンジニア特有の転職動機を理解することが重要です。レバテック株式会社が実施した調査によると、エンジニアが転職を決めた理由の上位は、以下の通りでした。
- 収入アップのため(42.4%)
- 会社や業界の将来性に不安を感じて(22.4%)
- キャリアアップのため(16.5%)
- 技術スキルが伸ばせないと感じたから(14.7%)
これらのデータから、エンジニアは「収入」「将来性」「スキル」の3点を特に重視する傾向があると考えられます。
参照:レバテック株式会社「レバテックキャリアによるエンジニア転職意識調査」
響くスカウトメールとNGなスカウトメール
上記の転職動機を踏まえると、エンジニアに響くスカウトメールは、単に「社風が良い」「福利厚生が充実」といった内容だけでは不十分です。エンジニアが重視する3つのポイントに、具体的な内容で応えることが重要です。
- 具体的な年収提示や評価制度の透明性
- 自社事業やプロダクトの将来性
- 将来的に目指せるポジション
- 得られる技術スキルや開発環境など
採用ペルソナの明確化が不可欠
ダイレクトリクルーティング運用を成功させるには、どのようなエンジニアをターゲットにするかという「採用ペルソナ」を明確にすることが不可欠です。以下のような内容を具体的に定義して、採用したい人物像を整理しましょう。
- 使用言語
- 経験年数
- 志向性(技術スペシャリストか、マネジメント志向か)など
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候補者体験(AX)の質を高める
スカウトメールの返信から面接、内定に至るまでの「候補者体験」の質を高めることも重要です。 特にエンジニアは、面接官との技術的な対話や、開発環境への深い理解を重視する傾向があります。
≪例えば≫

拝見したポートフォリオ、とてもデザインが綺麗ですね!

(…デザインではなく、その裏側のアーキテクチャや技術選定について議論したいのに…)
このように技術的な対話が噛み合わない体験は、候補者の志望度を大きく下げる可能性があります。スムーズで誠実なコミュニケーションを心がけることが、他社との差別化につながるのです。
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4.エンジニア向けダイレクトリクルーティングサービスの選び方

ここでは、エンジニア採用でダイレクトリクルーティングを導入・比較する際に押さえておきたいポイントと、運用の負担を減らす方法を紹介します。
サービス比較のポイント(登録者層、料金体系)
エンジニア採用でダイレクトリクルーティングサービスを利用する際は、知名度や登録者数だけで判断すると失敗することもあります。選定時に押さえておきたいポイントを確認しましょう。
- 登録者層
自社が求めるエンジニアがどの程度登録しているかを確認する
⇒Web系、SIer系、若手、ハイクラスなど、登録者層が合わなければ、いくら運用してもマッチングは生まれません。 - 料金体系
費用対効果を知るためにも、どのような料金体系かを確認する
⇒月額でデータベース利用料がかかる「サブスクリプション型」か、採用決定時に費用が発生する「成功報酬型」かなどチェックしておきましょう。

自社の採用人数や予算に応じて、最適なプランを選ぶことが重要です。
エンジニア特化型と総合型の違い
ダイレクトリクルーティングサービスは、幅広い職種を扱う「総合型」と、エンジニアやハイクラスといった特定の職種に特化した「特化型」にわかれます。
| サービスの種類 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 総合型サービス | 幅広い層にアプローチできる | エンジニア以外の登録者も多いため、検索に工夫が必要 |
| エンジニア特化型サービス | 技術スキルや使用言語などで詳細な検索ができる | 利用料が比較的高額になるケースも |
自社の採用ターゲットに応じて、これらのサービスを使い分ける、あるいは併用してください。
運用工数を削減するRPO(採用代行)の活用
ダイレクトリクルーティングは運用工数がかかる採用手法です。もし社内のリソースが不足している場合、ダイレクトリクルーティングの運用自体を外部に委託する「RPO(採用代行)」サービスを活用するのも一つの選択肢です。
RPOサービスとは?
候補者の検索やスカウトメールの作成代行、面談調整など、ダイレクトリクルーティング運用に関わる実務を幅広くサポートします。
自社は最終的な面接や、候補者との重要なコミュニケーションに集中できるため、採用活動の質を落とさずに効率化を図ることが可能です。
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5.【エンジニア不足】今こそ求められる“攻めの採用戦略”
エンジニア採用が難化する中、企業側から能動的にアプローチする「ダイレクトリクルーティング」は、これからの採用戦略の“核”となる手法です。
しかし、導入はあくまでスタートラインです。エンジニア採用を成功させるには、その心に響くメッセージを丁寧に届けることが大切です。
運用には一定の工数がかかりますが、従来の「待ち」の採用では出会えなかった優秀な人材との出会いが待っています。未来のエンジニア採用を切り拓く第一歩として、ぜひダイレクトリクルーティングの導入を検討してみてください。
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採用ブランディングは、優秀なエンジニアを惹きつけるための重要な戦略です。ダイレクトリクルーティング運用と組み合わせることで、スカウトメールの反応率向上や内定承諾率の改善につながります。
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