「求人を出しても応募が来ない」という悩みを抱える中小企業の採用担当者も多いでしょう。厚生労働省によると、2025年10月の新規求人倍率は2.12倍と依然として高水準で推移しており、従来通りのやり方では人が集まらない「超売り手市場」が常態化しています。
しかし、予算や知名度がなくとも、応募を集め続けている企業は確実に存在します。その違いは「センス」ではなく、「心理学に基づいた伝え方」や「自社に合った媒体選び」といった論理的な戦略にあります。
この記事では、求人が来ない原因を徹底的に分解し、明日から使える「応募獲得につながる書き方」の心理テクニックについて解説します。あわせて、成功企業のリアルな実例も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
参照:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和7年10月分)について」
- 求人が来ない5つの根本原因と、自社の課題タイプ
- 心理学(行動経済学)を応用した「クリックされる求人票」の書き方
- 知名度ゼロの中小企業が応募数を6倍にした具体的な成功事例
1.なぜ自社の求人には応募が来ないのか?5つの致命的な原因

応募が集まらない理由は「給与水準が低いから」だけではありません。ここでは、応募が来ない主な要因として挙げられる5つのポイントを紹介します。
【原因1】「ペルソナ」と「媒体」のミスマッチ
最も多いのが、ターゲットがいない場所に釣り糸を垂らしているケースです。
■具体的には
ターゲット:ITに強い20代
×NG ⇒ 新聞折込チラシやハローワーク(窓口のみ)で求人を出す
◎OK ⇒ スマホで見れる求人媒体を利用する
▼デジタルネイティブな20代はスマホで仕事を探すことが多く、折込チラシやハローワークはあまり活用しない。
媒体ごとのユーザー属性と、自社が求めるペルソナがズレていれば、どんなに良い求人も届きません。
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採用活動において、理想の人材像を明確にすることは重要です。こちらの記事では、採用ペルソナの設計方法から、ターゲットに合わせた媒体選定、効果的な訴求方法まで、具体的な7つのステップで解説しています。
【原因2】求人票が「ポエム」化している
「アットホームな職場です」「やりがいのある仕事です」といった抽象的な表現は、求職者にとって「実態が見えないリスク」と判断されます。
現代の求職者は、具体的な「1日の流れ」や「職場のリアルな雰囲気」を求めており、美辞麗句だけの求人票(ポエム求人)は警戒されてスルーされる傾向にあるのです。

あえて業務の大変な点や課題なども伝えることで、結果として求人の信頼性や訴求力を高める効果も期待できます。
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【原因3】給与・待遇が「市場相場」から乖離している
最低賃金の改定や、競合他社の賃上げに対応できていないケースです。
求職者は必ず複数の求人を比較検討します。近隣のライバル企業が「時給1,200円」を出している中で、「時給1,050円(地域別最低賃金スレスレ)」で募集していれば、応募はそちらに流れてしまいます。
【原因4】求める条件が「スーパーマン」になっている
条件が増えるごとに応募のハードルは上がり、対象となる人材は市場から消えていきます。
「未経験歓迎」と打ち出しているにもかかわらず、「PCスキル必須(Excel関数・マクロ)」「業界経験者歓迎」「コミュニケーション能力重視」など、現場の要望にあわせて盛り込みすぎないよう注意が必要です。
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採用要件の設定は、応募数と採用品質を左右する重要なプロセスです。こちらの記事では、演繹的アプローチと帰納的アプローチの使い分けや、職種別の具体的な設定例を交えながら、効果的な採用要件の作り方を7つのポイントで詳しく解説します。
【原因5】企業の「ウェブ評判」が放置されている
エン転職の調査によると、転職者の89%が応募前に企業の口コミや評判サイトを検索しています。それだけ、インターネット上の情報は採用において重要性を増しているといえます。
そこでネガティブな口コミが放置されていたり、そもそも企業のホームページが存在せず情報が得られなかったりすると、「怪しい会社」と判断され、応募直前で離脱されてしまう原因となるのです。
参照:エン株式会社 人事のミカタ「「クチコミ&企業コメント」の極意」
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求人票は、求職者との最初の接点であり、応募意欲を大きく左右する重要なツールです。こちらの記事では、法的要件を満たしながら、魅力的で具体的な求人票を作成するためのノウハウを詳しく解説しています。
2.【即実践】応募数を着実に増やす「求人票リライト」の心理学

原因が特定できたら、次は「書き方」の改善です。ここでは、行動経済学や心理学を応用し、求職者の心を動かす具体的なテクニックを紹介します。
30文字の戦い|タイトルは「職種名+メリット」で勝負する
スマホの検索一覧画面で表示されるのは、冒頭の約30文字だけです。ここに求職者にとって魅力的な言葉が入っていなければ、クリックすらされません。
スマホでの求人広告の見え方比較
営業スタッフ募集(やる気のある方歓迎!)
完全反響営業(飛び込みなし)/年休125日/リモート可/月給30万円〜
このように、職種名の直後に「具体的なメリット」を羅列することで、クリック率の向上が期待できます。
保有効果|仕事内容は「1日のスケジュール」で映像化する
「保有効果」を利用して、魅力的な求人票を作成しましょう。
保有効果とは
行動経済学の用語で、「自分が所有しているものに対し、客観的な価値以上に高い価値を感じ、手放したくないと思う心理現象」のこと。
求人においても、求職者に具体的な業務風景を想像させることで、求職者は脳内で擬似的にその仕事を「自分のもの」として錯覚します。その結果、「この機会を損失したくない」という感情が高まり応募に繋がるのです。
■具体例:営業事務の「仕事内容」欄
×NG ⇒ 営業事務のお仕事です
◎OK ⇒
- 9:00 出社・メールチェック:優先順位をつけて返信します。
- 10:30 見積書作成:フォーマットへの入力がメインです。
- 12:00 ランチ:近くに美味しいカフェが多いエリアです。
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アンカリング効果|「数字」のマジックで信頼を勝ち取る
具体的な数値を示すことで印象に残りやすくなる「アンカリング効果」を意識した求人票を作成しましょう。
アンカリング効果とは
最初に提示された数字や情報が基準となり、その後の判断に強い影響を与える心理現象のこと。
採用では「残業少なめ」という曖昧な表現より、「月平均8.5時間」と具体的な数字を最初に見せることで、求職者に「事実に基づく信頼できる情報」として印象付けることができます。
- 「残業少なめ」→「月平均残業 8.5時間(昨年度実績)」
- 「有給取りやすい」→「有給消化率 85%(1時間単位での取得も可)」
具体的な数字を示すことで、企業の誠実さを印象付ける強力な武器となります。
3.効果が出ない時の「媒体見直し」戦略

どんなに良い原稿でも、出す場所を間違えれば効果は出ません。重要なのは、「予算」「緊急度」「ターゲット」の3軸で、自社の現在の状況に最適な媒体を選定することです。
【図解】徹底比較!媒体の選定基準
以下の表を参考に、自社のリソースと照らし合わせて媒体を選定しましょう。
| 媒体タイプ | コスト | 緊急度・手間 | ターゲット層 | おすすめの企業・戦略 |
|---|---|---|---|---|
| ハローワーク 地域密着型 | 無料 | 緊急度:低 手間:中 | 地元志向 シニア・パート | 【地場戦戦略】 予算ゼロで地元の人を採用したい。ネットに不慣れな層もターゲット。 |
| Indeed (無料) 検索エンジン | 無料 | 緊急度:中 手間:高 | 幅広い層 能動的な求職者 | 【運用重視戦略】 予算はないが、運用担当者の工数は割ける。地方やニッチ職種で検索流入を狙う。 |
| 総合求人サイト (リクナビ等) | 有料 | 緊急度:高 手間:低 | 若手・新卒 キャリア志向 | 【短期決戦戦略】 コストをかけてでも、短期間で大量に母集団を集めたい。若手を採用したい。 |
| エージェント (人材紹介) | 成果報酬 (高単価) | 緊急度:中 手間:少 | 専門職 ハイクラス | 【一本釣り戦略】 採用難易度が高い専門職や管理職を、ピンポイントで確実に採用したい。 |
予算ゼロで戦う「手間投資」戦略
「採用予算はかけられない」という中小企業におすすめの方法です。ハローワークとIndeedの無料枠を併用します。
ただし、無料枠は放置するとすぐに埋もれてしまいます。「2週間に1回は原稿をリライトする」「写真はスマホで撮った最新のものをアップする」といった「手間」をかけることで、有料枠に近い露出を維持する運用を目指しましょう。
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こちらの記事では、Indeedについて、無料掲載と有料掲載の違いや効果的な運用方法、採用における具体的な活用テクニックまで詳しく解説しています。求人の書き方から予算設定まで、Indeed活用の全てが理解できる実践的なガイドです。
時間を金で買う「短期集中」戦略
「欠員が出て来月までに人が欲しい」という緊急事態であれば、迷わず有料の総合求人サイトを選びます。
ここでの戦略は、「スカウトメールの活用」です。掲載して待つだけでなく、データベースにアクセスし、自社の条件に合う人材に直接オファーを送ることで、スピード感のある採用を可能にします。

認知のない中小企業でも短期間で面接まで持ち込むことが可能です。
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こちらの記事では、スカウトメールの返信率を3倍に高める書き方のコツや、効果的な送信タイミング、具体的な例文まで詳しく解説しています。ドライバー不足に悩む企業が、データベースを活用して優秀な人材に直接アプローチする方法を実践的に紹介しています。
ニッチ層を狙う「検索対策」戦略
「特殊な資格が必要」「勤務地が不便」といったニッチな求人の場合、総合サイトでは応募が来ないまま埋もれてしまいます。
この場合、IndeedやGoogleしごと検索での「キーワード対策」に全力を注ぎます。求職者が検索窓に入力しそうな具体的なワード(例:「大型トラック 長距離」「夜勤なし 介護」)を原稿内に散りばめ、検索経由でピンポイントに求職者を誘導する戦略が有効です。
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ハローワークは、無料で求人掲載ができる公共の職業紹介機関です。こちらの記事では、求人掲載の方法や料金体系、掲載期間、効果的な活用方法まで詳しく解説。地域密着型の採用活動を展開する企業にとって、必須の知識が得られます。
4.「応募がこない」を改善した中小企業の実例

ここでは、戦略的な工夫で採用を成功に導いた実在の中小企業事例を紹介します。
株式会社サン・クレア(ホテル運営/広島県)
■採用課題
知名度が低く、採用活動に苦戦。月平均の応募数はわずか2名と低迷しており、人材紹介会社経由での採用コスト(1名あたり45万円)が高騰していることが経営課題だった。
株式会社サン・クレアは、従来の「待ちの採用」から脱却し、ダイレクトリクルーティングとオウンドメディアでの発信を強化したそうです。noteなどで「ホテルの裏側」や「働く人の想い」をありのままに発信し、企業のビジョンやカルチャーへの共感を促しました。
【その結果】
月平均応募数は12名へと6倍に増加。採用単価も18万円へと削減することに成功し、県外からのIターン採用も実現しました。

自社のストーリーを発信することで、条件検索では出会えなかった「ファン」を採用候補者に変えました。
参照:StockSun株式会社「中小企業の採用戦略とは?採用難の理由や成功事例も合わせて解説」
■採用コストを抑えながら、質の高い人材を確保したい
カラフルエージェント ドライバーは、紹介フィーが調整可能な柔軟な料金体系で、納得のいく採用をサポートします。入社後のアフターフォローも充実しており、離職率の低下にも貢献。即戦力となる有資格者を多数登録しており、貴社のニーズに合った人材を迅速にご紹介いたします。
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株式会社八百鮮(生鮮食品小売/大阪府)
■採用課題
「八百屋」という業種に対し、学生が抱く「きつい・汚い・古い」といった3Kのイメージが先行し、新卒採用において母集団形成そのものが困難な状況だった。
株式会社八百鮮は、ネガティブなイメージを逆手に取り、「日本一かっこいい八百屋」という尖ったコンセプトを策定しました。映画の予告編のようなドラマチックな採用動画や、デザイン性の高い特設サイトを制作し、従来の八百屋像を覆すブランディングを展開しました。
【その結果】
挑戦意欲の高い学生の心に刺さり、知名度のない中小企業でありながら、多くの優秀な新卒学生の採用に成功しています。

自社の弱みを隠すのではなく、圧倒的な「世界観」で上書きすることで、強烈な差別化要因に変えました。
参照:株式会社レジェンダ「【最新版】採用ブランディングとは?戦略の秘訣と大手・中小の成功事例14選」
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採用ブランディングは、企業の魅力を戦略的に発信し、求職者から選ばれる企業になるための重要な取り組みです。こちらの記事では、人材採用の質を高めながらコストを最適化する方法や、中小企業でも実践できるブランディング手法を詳しく紹介しています。
5.それでも応募が来ない場合の「次の一手」

社内のリソースだけで改善が難しい場合は、外部の力を借りるのも経営判断です。
採用代行(RPO)・コンサルティングの活用
「そもそも求人を書く時間がない」「ノウハウがない」という場合は、プロに任せるのが最短ルートです。採用代行RPO(Recruitment Process Outsourcing)を利用すれば、母集団形成から面接日程調整までを丸ごと委託でき、採用担当者は「面接」というコア業務に集中できます。
ダイレクトリクルーティングへの転換
ダイレクトリクルーティングとは、データベースから欲しい人材を検索し、直接スカウトメールを送る手法です。求人サイトなどに募集を出して待つのではなく、企業自らが欲しい人材にアプローチして接点を持つことができます。
手間はかかりますが、自社の魅力が伝わりにくいニッチな職種や、即戦力採用に効果的です。
採用サイト(オウンドメディア)の構築
求人媒体のフォーマットでは伝えきれない、社員インタビューや詳しい業務内容を発信するために、自社の採用サイトを構築するのもおすすめです。SEO効果による自然流入が見込めるようになれば、広告費をかけずに継続的な応募獲得が可能になります。
■採用のプロにお任せして、本業に集中しませんか?
求人作成から面接調整、条件交渉まで、採用活動には多くの時間と労力がかかります。カラフルエージェント ドライバーは、即日でマッチした転職希望のドライバーをご紹介し、スピーディーな採用を実現。採用にかかる時間とコストを大幅に削減いたします。
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6.求人に関するよくある質問

ここでは、求人に応募が集まらず悩んでいる採用担当者から、よく寄せられる疑問について解説します。
Q.有料媒体と無料媒体、どちらが良いですか?
A.「採用の緊急度」と「求める人数」によります。
明日すぐにでも人が欲しい、あるいは10名以上採用したい場合は、集客力のある有料媒体が有利です。一方、じっくりと良い人を探したい、コストを抑えたい場合は、Indeedなどの無料掲載枠を活用し、コツコツと運用するのが賢い選択です。
Q.求人票はどのくらいの頻度で更新すべきですか?
A.少なくとも「2週間に1回」は更新することを推奨します。
多くの求人サイトでは、新着順や更新順で表示されるため、放置された求人はどんどん埋もれていきます。タイトルを微修正したり、写真を差し替えたりするだけでも「動きのある求人」として認識され、表示順位が上がる可能性があります。
Q.給与は「幅」を持たせて書くべきですか?
A.「月給20万〜35万円」のように幅を持たせるのが一般的です。
ただし、20万〜50万円など幅が広すぎると「実際は下限(20万円)だろう」とネガティブに捉えられるリスクがあるため注意が必要です。
7.これからの時代に選ばれる採用の考え方
本記事では、応募が集まらない理由を「企業の魅力が足りないから」ではなく、「魅力が正しく伝わっていないから」と捉え、その解決策として、心理学を活用したライティングと戦略的な媒体選定について解説しました。
知名度や十分な予算がなくても、求職者の心理を理解し、適切な場所で、適切な言葉を届けることができれば、採用競争で成果を出すことは可能です。採用は「運」に任せるものではなく、考え方と打ち手次第で改善できる、再現性のあるマーケティング活動です。
まずは、求人票のタイトルを一行見直すところから始めてみてください。その小さな改善が、次の応募、そして将来を支える人材との出会いにつながっていきます。
